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南アジアの海賊・カナダの人種差別(鉛管工の話)
バンクーバーは太平洋に面しているせいか、トロントの白人に比べるとアジア人に対する差別が少ないと感じていたのですが、そうでもないのかなと考えさせられ、またこれまでまったく実感のなかった南アジアの海賊の話に驚いたという話。

以下、鉛管工から聴いた話の骨子です。鉛管工は160センチあるかないかと小柄ですが、精悍な顔をしています。

ベトナム出身。ベトナム戦争のことは覚えていない。
いま41歳。1980年、17歳で兄とバンクーバーに来た。バンクーバーに来る前はバンコックでくらした。

兄に連れられてベトナムからタイへ小船で密出国した。舟にいたベトナム人は十数人。ニ、三日で着く予定のところエンジンが不調で十二日漂流した。水、食料がなくなり、雨水でしのいだ。

途中タイの海賊に襲われた。もっていた金目のものを奪われた。男はなぐられ、女はひとりずつ漁船に連れこまれレイプされた。自分は小さかったので何もされなかった。彼らを海賊と呼んでも良いし、オールマイティーの神と呼んでもよいが要するに漁師である。

バンクーバーにつくとまもなく兄が亡くなり途方にくれた。高校に通ったが、バスを待っていると白人の学生が三人やってきて殴られた。アジア人が嫌いだというそれだけの理由であった。他の学校にいたベトナム学生に聞くとやはり暴行を受けていたので待ち伏せして仕返しをした。そのため退学させられた。我々に暴行をはたらいた白人の方はおとがめなしだった。日曜日には教会へ行くことを強要された。白人は良くない。カナダを離れたいと毎日考えていた。

思い直して職業訓練校に通った。そこでも嫌がらせがあったが今度は我慢した。鉛管工の資格をとった。

密出国者はベトナムに帰れなかったが、十年ほど前に帰れるようになった。ベトナムにいる父に会い、つらい日々だった、なぜ追い出したのだと訊いた。父は言った。ふたりとも戦争に送り込まれる寸前であった。戦争で死ぬならまだしも、足や腕を失って戻ってきたら一生が地獄であると思ってタイへ送り込んだ。途中で死ぬかもしれないと悩んだがそれでもましだと考えた。この気持ちはいつか分かるようになるだろう。

鉛管工が帰り支度をしているときにベトナム出身だというので、ベトナム戦争のことを覚えているかと軽い気持ちで訊いたのですが、思いがけなく彼の半生を立ったまま聴くことになりました。夕方、雨が降っていて部屋の中が暗かったのですが、41歳の彼が少年の顔になり、父親に詰問したくだりではかすかに目が濡れているのが分かりました。

家族のことを訊くとバンクーバーで知り合ったベトナム系中国人と結婚している、彼女はボートピープルではない、レジの仕事をしている、四歳の息子がいると元の精悍な顔にもどりました。良い人生になって良かったねと言うと、アメリカはベトナムで無実の人を殺した、イラク戦争はオイルが目当てだ、アメリカ人は大嫌いだ、とキッとなりました。さすがアメリカに勝ったベトナム人、くらしむきが良くなっても肝心なところはぶれない。ベトナムのほうがアメリカに負けて思考能力をうしない、記憶障害に陥ってしまった日本より国連の安保常任理事国として適格かもね。

夏になったら屋根の上に機械をすえつけて下水管の大掃除をしたら良い、二時間かかる、代金は500ドル位だと言って立ち去りました。ちょっと高いような気がします。
| おのまのプロフィール | 政治経済 | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
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