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コロナで安楽死

訪問者の多くもコロナで鬱陶しい日々を送っておられるにちがいない。傷に塩を塗りこむごとき話を公開したら後悔するだろうと迷ったのだが、そういうことを考えてしまったのは事実だし、それに、この世界は残酷なんだから(ミカサ・アッカーマン)黙っていてはいつまでも進展しないだろうと心を決めた

 

嫌なことは見たくない、考えたくないという方におかれてはお読みにならないことをお勧めする

 

今は昔

 

道一本をへだてたお向かいさんからもらった猫ゲンキーは我が家にきて一週間もたたないうちに一日の大半を戸外で過ごすようになった。暗くなっても帰ってこないので探し歩いたことが数度、時には二三日もどらなかったことがあり、初めのうちは大いに心配したものだが、やがてそれが彼の生き方だと平気になった。ありがたや、完全な自由を謳歌しているゲンキーの気分を疑似体験しているとも感じた

 

生後二か月にしてあたりを睥睨し、盛り場のあんちゃんよろしく肩をいからせて歩いているのをみかけて吹き出しそうになったことがある。成長するにつれ貫禄が増し、尻尾をピンと立てゆったりと戻ってくる様は王者のごとし、威風堂々たるものがあった

そのような写真がみつかったらあとで加える

 

これではない

 

 

生後六年、世界のなにもかもが分かったというような顔つきをしていたが、それでも何かの拍子で人が(猫が)かわったようにとても可愛らしい表情になることがあった。そういうときは目が丸くなっていた

 

2011年クリスマス時期に撮ったゲンキー

 

メインクーンの特徴、幅広の胸と飾り毛に合った顔つき。胸の上にのせて、お前は立派な顔をしているねえとほめ、お前になら食べられても構わないなどと言ってみたりした

 

ゲンキーの母と叔父は道路を挟んだお向かいさんに住んでいたが、それぞれがある日を境に家に戻らなくなった。毎日遊んでいた森のどこかに自らの死に場所を見つけたのであろう

 

妹のナジはいったん町なかのアパートで飼われるようになったが、しばらくして飼い主が郊外の一軒家に移りふたたび外で遊ぶようになり、やがて行方不明になったと聞いた。ナジも死期をさとって消えたのだろう

 

ゲンキーがまだ二三歳の頃、母・キャッキーがいなくなったという話はずいぶん後になって聞いた。敷地250坪の住宅街、近所のひとを通りでみかけるのは二か月ぶりだとか、あるいはグラウス山上でたまたま出会ったとかいう、そんな具合だった

 

そういえばその頃ゲンキーも三日ほど家に戻らなかったことがあったと思った。戻ってきたゲンキーはひどい異臭をまとっていたのでシャンプーで洗ったものだ。それをブログに書いたところ知人から、ゲンキーはキャッキーの遺体に寄り添って過ごしていたのではなかろうかというメールをもらった。以前、この知人に見えないものが見える力が備わっているのを目撃したことがあるので、なるほどそういうことかと感心した

 

2012年の夏、ゲンキーはメインクーンがよく罹るという症候群を発し、肺に水が溜まり、家のなかに閉じこもるようになった。水を抜いてもらうと元気になったが、数日たつとまた水が溜まった。何度か水抜きをし

 

いつ死んでもおかしくない、鼻ではなく口で呼吸し始めたらおしまいだと医者から言われていたのだが、ついにその時がやってきた

 

舌をだしてあえいでいるゲンキーにガンバレガンバレと声を掛けながら、海峡をふたつわたって、1年365日、24時間開いている救急病院にゲンキーを運び込むと、医者から安楽死を勧められた

 

そんなのはニンゲンの安易な勝手ではないかという思いは顔に出さず、頼んで水を抜いてもらった

 

三日ほどでゲンキーは回復した。しきりに外に出たがった。胸に抱いて車庫に降りて離すといつものように隣家とのあいだにある生垣のなかに消えた。これが見納めだと分かった

 

ここまで書いて思い出したことがある。口呼吸し始めたらすぐ救急病院へつれていけと言われたときから、ゲンキーの傍らで寝るようにしてたのだが、あるとき、目が覚めるとゲンキーは居住まいをただしてこちらの顔をみていた。どのくらいの時間見られていたのかわからない。ゲンキーを見守っているつもりのオノマ、頼りにならない

 

医者から言われたときは安楽死などとんでもないと思ったのだが、今になってみると、麻酔をかけられ水を抜かれることから生じるゲンキーの苦痛に思いが至らなかった、余計なことをしたのかなとも思う

 

自らには延命処置をしないようにという遺言書を作っており、子供たちにも言い聞かせていることとも矛盾する

 

再度確認されたし

 

嫌なことはできるだけ見たくない、考えたくないという方におかれてはここで閉じられることをお勧めする

 

以下は感情にふたをして考えた理屈

 

死を忌むことは要らぬこと=生あるモノ全て死ぬ

忌むべきは病気に伴う苦痛=いっそ殺してくれと叫ぶ苦痛がある

 

本人から切望された行為を「自殺ほう助」というのは良い。「嘱託殺人」とくくって逮捕し、叩くのは良くない

 

本人の意思にもとづく安楽死は治療の延長線上にある合理的行為

 

本人が望んでいる苦痛から逃れるための死を邪魔するのは非合理的行為

 

本人の意思に反する延命措置は医療行為を隠れ蓑にする犯罪行為

 

とってつけたようなことをついでに書くと、もし、コロナで重症になったとしても、オノマはエクモなる人工呼吸器につながれたくない。できれば注射で安楽死させてほしい

 

七十年もあとに生まれたゲンキーが逝ってから八年もたった。十分に生きた

 

20/7/26 10時22分25秒記

 

 

 「死に至る治療はできない」主治医は断る 嘱託殺人 患者女性が栄養補給の中止による安楽死を依頼

7/28(火) 11:48配信 ytv

 

難病のALSを患う女性の依頼を受け、薬物で殺害したとして、医師2人が逮捕された事件で、亡くなった女性が主治医にも安楽死を依頼していたことが分かった。  嘱託殺人の疑いで逮捕された医師の大久保愉一容疑者(42)と山本直樹容疑者(43)は昨年11月、全身の筋肉が衰える難病、ALSを患う林優里さん(当時51)に薬物を投与し、殺害した疑いがもたれている。  関係者によると、林さんは昨年夏ごろ、栄養補給の中止を主治医に提案したが「死に至る治療はできない」と断られていたことが新たに分かった。  一方で、林さんは事件の直前に、これからの治療方法について主治医と相談していたにもかかわらず、事件が起きており、林さんを支援していた関係者は「事件が起きるとは想像もしていなかった。言葉もない」と話している。

 

7月29日 追記

 淵ノマが生まれた)70年あとに生まれたゲンキーと書いたのは誤り。64年あとが正しい。2006-5-4 誕生

▲灰瓮鵐箸鯀っていただいた  oss102さん がリンクしてくれたお陰であろう、ひさしぶりに訪問者が50人を超え80人に達した

oss102さんがリンクしたブログ https://oss102.exblog.jp/29115189/ に寄せられたコメントのひとつにこうあった。死期が近づいている動物を無理に生かすことは虐待 自由に生きていた猫・ゲンキーに虐待を加えた浅はかな猿・オノマであった

ぅ殴鵐ー@あんちゃん風がみつかった

| おのまのプロフィール | - | 23:59 | comments(3) | - |
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まったくまったく賛成であります。ゲンキーちゃん、そうだったのですか。好きな場所をえらべる自由があってよかったですね。
日本の獣医学会は、安楽死を認めていません。人間にもですが。
面倒な手続きと大金を払わないと、外国まで行って安楽死は出来ないなんて。なんて国でしょ。この記事リンクさせてくださいね。m(__)m
| oss102 | 2020/07/29 10:08 AM |

お向かいさんにいた猫♂♀二匹の区別もつかない犬派でしたが、ゲンキーが我が家を本拠地とするようになってから猫族、猿族、犬族の違いに理解が深まり良かったです。

本当のことは分かりませんが、多くの猫派がいうように猫族には尊敬すべき習性が備わっているのでしょう。

自分が一番と思っている猿族・ニンゲンは自ら作ったシステムにからめとられてもがいている。じつは未熟なのでしょう。
| オノマ@カナダ | 2020/07/29 12:35 PM |

おのまさま 私のブログにリンクしていただいた、スイスで安楽死を選んだ女性のことは、TVでも本でも読みました。
こういう大金がかかり、大変な手続きを踏まないと・・普通のレベルの人間では出来ないことですね。 でも日本でもまず1歩の安楽死への道が拓かれることを願います。
| oss102 | 2020/07/31 11:40 AM |










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