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経済のジェットコースター現象 あるいは 口尻一体化現象

当ブログの読者でアベノミックス、円安、株高に浮かれている方は少ないと思うが、念のために書いておく。

斧魔思うに、日銀に国債を買い続けさせる政策は諸刃の剣である。強い抗癌剤みたいなもの。癌は直った、でも死んじゃったというリスクがある。

(金融をつかさどる)日銀が(政府がつかさどる)財政に直結してしまった。ひとの体にたとえれば、それぞれの役割が違っている、曲がりくねってつながっている胃と腸に同じ役割をになわせ一体化したようなもの。もっと誇張すれば口と尻をくっつけたようなものとは云いすぎか。いずれにせよ健康を損ねかねない。

日銀がいくらでも買ってくれる。斧魔が金融博徒であれば日本国債を売って売って売りまくる。金利上昇に札を置く。

現実には様々な要素があるから上に書いたほど単純ではないが、大雑把にいえば今の日本はそういう状況下にある。


四、五年前に書いたブログの一部を再掲する。

アベノミックスで経済のジェットコースター現象がおきる可能性があることを忘れないでね赤頭巾ちゃん。


ブラックマンデー:1987年10月19日(月)
暗黒の木曜日:1929年10月24日(木)


1928年の大統領選挙で圧勝したのは「どの鍋にも鶏を一羽、どのガレージにも車を二台」というスローガンを掲げた共和党のフーバーでした。
Herbert Clark Hoover 1874-1914

フーバーは1929年3月4日の大統領就任演説で「アメリカはどの国の歴史にも見られなかったほど貧困に対する最終勝利日に近づいている」と花火をあげました。

大恐慌が起きるわずか239日前のことですからブッシュ戦争を支持した日本の政治家、外交官、報道人と良い勝負の勘の悪さです。


1920年代のアメリカは第一次世界大戦の軍需で工業が発展し、始まったばかりのモータリゼーションが躍進をつづけていて「永遠の繁栄」と浮かれていました。

すでに農作物を中心に余剰が生まれていたのですがヨーロッパに輸出していたため深刻に捉えていません。しかし農業の機械化が進んで余剰は過剰になり、やがてヨーロッパの農業が復興してチョー過剰になります。

平和になり軍需が落ち他の生産も過剰になっていきます。過剰を余剰にそして正常に戻す過程でアメリカの鉄道や石炭部門が不振になっていきます。


こうして実態経済の熱はさめていくのですが「前向き思考」のひとたちがあおる投機熱にかかる人が増えてアメリカの株式市場は1924年中ごろから長期トレンドに入っていきます。

五年でダウ平均株価は五倍になり、1929円9月3日には平均株価381ドル17セントを記録します。これが最高記録でした。

てっぺんまで昇ったジェットコースターは下降します。株価は一ヶ月で17%下落しました。でも次の週には下落分の半分強ほど持ち直しました。でもその直後にまた上昇分が消えました。この乱高下、昨今のそれに似ていませんか?

そんなことが二ヶ月続いて10月29日の大暴落が起きます。「暗黒の木曜日」のあとは上がったり下がったりしながら三年かけて二十年前の水準に落ちていきます。


「どの国の歴史にも見られなかったほど貧困に対する最終勝利日に近づいている」とぶち上げたフーバーは目の前にくりひろげられている投機熱しか見ていなかったのです。過去、現在の実相が見えない、未来が読めない単なる愚者だったというわけです。

「しばらくすれば元の景気に回復する」という根拠の無い楽観でもって政府による経済介入を最小限に抑えたり、スムート・ホーレー法という、一見するとホームレス法と間違いそうなのをでっちあげて保護貿易にし世界経済を冷やしました。

ブーイングをくらったフーバーは一期でお払い箱、1934年に民主党のルーズベルトが大統領になります。
Franklin Delano Roosevelt 1882-1945

FDRは大統領就任後の百日でもってニューディール政策なるものの主要な政策を実行に移しました。ニューディールの目玉は赤字財政でもって金をばら撒く一時しのぎ、点滴です。

点滴のおかげで1930年代なかごろになると経済回復のきざしが現れたのでFDRは均衡財政に戻そうとします。そのとたんに景気は逆戻り、1930年代後半には危機的な状況になります。点滴だけでは健康体になれないのです。

結局のところ第二次大戦の軍需増加によってアメリカは回復するわけで、そうしたことからニューディール政策が成功したかどうかについて賛否両論があるのです。政策のいくつかは最高裁で憲法違反だとされています。


第二のFDR・オバマは莫大な公的資金投入が一時しのぎの点滴だと知って「道のりはながい。急な坂がつづく。目指す所に一年あるいは四年でもたどりつけないかもしれない」と云ったのでしょう。

経済現象は津波に似て時間差攻撃です。不愉快なことは見ざる、云わざる、聞かざるという猿は溺れて死にます。今しばらくは八十年前に起きた現象を考えながら活動されるのが賢明だと思います。

2008年12月3日(水)@ 北バンクーバー
http://onomar.jugem.jp/?day=20081204

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