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林雨 第六十三回 ダチョウの正当化
 

林雨 第六十三回 ダチョウの正当化  小野冬生

 

3.11から百日になろうとしています。今も進行中の福島原発の放射能漏れを含めた災害にどう対処するのか、どのくらいの時間でどの位のことができるのかについて読者の方々もおぼろげなイメージができたのではないでしょうか。 

 

 

地震、津波がもたらした物理的な破壊をかたづけて新たなくらしの場を作ることや心理的なダメージから立ち直ることには長い時間がかかると思いますが、筆者は日本人がそれをやってのける民族であると確信しています。

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが第二次大戦直後の日本の風景はもっと凄まじいものでした。その後の日本経済は奇跡といわれましたが日本経済の末端にいた筆者には奇跡などではない、なすべきことをやった結果だという実感がありました。


広島では百年のあいだ草木が生えないだろうと言われたそうですがそんなことはなく、ほどなく焼け跡から植物の芽が出てきたとは中沢啓治の「はだしのゲン」にも書かれています。


そういうようなことで日本が立ち直るのはまちがいないと思うのですが原発を巡る話については気にかかることがあります。それが日本を好ましからぬ方向に導くのではないかと危惧しています。標題にかかげた「ダチョウの正当化」です。


「ダチョウの正当化」とは敵に追われたダチョウが恐怖から逃れようとして首を砂につっこみ、敵がみえなくなったので安心するという話から思いついた筆者の造語です。正しくは「正当化バイアス」。「バイアス」とは「偏見」とか「先入観」ということで一種の思考停止から生じるものです。


日常と違う事態にであうと誰にもストレスが生じますが、ストレスに弱い人は都合の良い理屈を探し出すことによって異常を正常とみなそうとする正当化バイアスがおきます。こういう人は非常事態が生じても異常と認識できず避難などの対応が遅れたりします。逃げるのをやめるダチョウです。


ストレスに強い人は思考停止に陥らず、まずは異常事態の正体を見きわめようとし、次にこれをどうにかしようと考えて現実的な策を講じます。鳥に例えれば天高くゆうゆうと舞いながら地上の獲物を狙うワシやタカでしょうか。


3.11
直後に菅直人首相や枝野幸男官房長官が「国民は冷静に」「避難する必要はない」「ただちに健康問題はない」と妄言を繰り返し、関村直人東大教授が「メルトダウンはおきない」「ベントをしてもフィルターがあるから放射能漏れはない」と言っていたのはダチョウの正当化でした。


東京都知事・石原慎太郎が、かつて全国知事会でもって佐藤栄佐久福島県知事が原発の危険性について問題提起をした際に、原発は安全だ、福島がやらないのなら東京湾につくってもいいと出来もしないことを放言し、最近では脱原発を唱える保坂展人が世田谷区長に当選したことに対して「風車とか太陽光とかで日本経済を支える電力の供給はできっこない」と嘲笑したのもダチョウです。


親が親なら子も子。石原伸晃自民党幹事長が国民投票で脱原発を選んだイタリアを評して集団ヒステリー状態と斬り捨てたのも同断です。子母澤寛(しもざわかん)は勝小吉・勝海舟を「父子鷹・おやこだか」という作品にしましたが誰か石原慎太郎・石原伸晃でもって書きませんか。「おやこばか」「父子駝鳥」。 


暴走すると手に負えない原発に関してダチョウの正当化で臨むともっと大きな悲劇がおきるでしょう。原発がないと経済発展できないというのではなく原発があるかぎりびくびくしてなければならない、そんな処でなんの経済発展かというところから始めるのが賢明です。過去からの延長線上を進んでいくのではなく、十年後、二十年後のあるべき姿を思い浮かべ、そこから今に立ち戻り方向を決めるのが賢明です。


2011年6
月16日(木) @北バンクーバー

http://www.japancanadajournal.com/

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