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資料 原発事故 55 佐藤栄佐久

このシリーズの1でこう書きました。 

それみたことかと思ったのが福島原発の事故である。

佐藤栄佐久は福島県知事時代、原発の安全性について問題提起したが収賄事件をでっちあげられて失脚した。

http://onomar.jugem.jp/?day=20110311

あれから四十日たった今、日本における佐藤栄佐久に対する関心度はぐんと高まった感があります。近頃は海外メディアからの取材もあります。彼に対してなされた日本国家の犯罪が世界中に知られるようになると、これは喜ぶべきことなのか嘆くべきことなのかと複雑な思いがします。おととしの暮れから知事抹殺シリーズを書いてきたおのまとしては素直に喜ぶべきでしょうね(笑)。

http://onomar.jugem.jp/?day=20091212
http://onomar.jugem.jp/?day=20110326

本日の佐藤栄佐久サイトに外国記者会見での発言が載ったので以下に要点を書き、次頁に全文を貼ります。
 

外国特派員協会記者会見(4月18日)における佐藤栄佐久発言要点:

福島第一原発ができて今年で40年、そのうち18年、知事として原発が起こした問題に取り組んだ

今度の事件は、起こるべくして起きたもので「想定外」ではなかった。なぜ、防げなかったのか、この先、日本は原子力発電についてどんな政策をもつべきかについて話す


去年、2010年の6月17日に今度とそっくりの事故が福島第一で起きた

福島第一原発の2号機で電源が止まり原子炉の中の水が蒸発し始めた。放置すると燃料棒が熱で崩れ、最悪の事態につながる恐れが生じた

このときは非常用ディーゼル発電機が動き、ポンプを手動でスタートさせ、水を戻すことができた

電源を失うと何が起きるのか予行演習をしたようなもの。非常用ディーゼル発電機がやられたらどうなるかと心配しなくてはいけない事故

2
日本の原発政策は地震をずっと軽視してきた

神戸大学名誉教授・石橋克彦さんなどが原発の耐震基準が甘すぎるとたびたび警告した

原子炉は自動停止し建屋もびくともしなかったから耐久力が実証されたという人がいる。しかし、石橋教授が言っていたのは、大きな地震が起きると色々な損害が起き、それが重なり合うと手に負えなくなる、ということ

石橋教授は5年前、国が原発の耐震基準を見直そうとしたとき、専門委員としてその作業に関わっていた。しかしいまある原発がひっかからない程度にするだけだということがわかり委員を辞めた

以上2点により事故は防げたと言える。非常用電源を津波でも大丈夫な場所に移し替えておきさえすれば事故にはならなかった

どうして、国や、電力会社は、原発のリスクに十分備えようとしなかったのか

「安全でないかもしれない」という発想に立った政策になっていないから

危険なものと共存していきたいならリスクに最大限備えようとするのが当たり前だが、リスクがあるとにおわせることすらタブー視する傾向があった

日本の原子力政策は、次のようなロジックで成り立っている

原子力発電は、絶対に必要である
原子力発電は、絶対に安全だということにしないといけない

東電の経営者を全部入れ替えたら、直るのか

保安院を経産省から出したら直るのか

直らない

福島第一、第二原発では故障やひび割れがたくさん見つかったが、その点検記録を書き換えて、なかったことにしていた

それがわかったのが、2002年8月

このとき東電の社長、会長、担当副社長、元社長の相談役2人、合計5人が辞職した

経営者を入れ替えても事故が起きた

日本経済に原発が必要である
燃やしてできるプルトニウムは再利用しないといけない
つまり、必要だから必要なんだという理屈が延々と続いていく

これは、怖い理屈。国会議員だろうが、だれであろうが、この理屈には立ち向かえない

これだけ有無を言わさないロジックが出来上がると、リスクをまともに計量しようとする姿勢すら踏みつぶされてしまう

事実を隠したり、見て見ぬふりをすることが、まるで正義であるかのような、そんな倒錯した価値観までできる

こんな状態でどれだけデータを見せられて安全だといわれても安心できない

安心とは、サイエンスではない 安心とは、信頼

原発を動かしている人を信頼できないと安心はない

私は、いまある原発を全部止めてしまえという意見ではない

しかしいまのままの形で原発を続けていくことはできない


原子力安全委員会という、原発の安全政策の基本を決める組織は、ろくな審議もせず、有名無実

安全委員会を完全な独立組織とし、委員を国民から選ぶ制度にする必要がある

ドイツやフランスは、原発政策を変えるときなど何年も何年も議論を尽くす。あらゆる過程に、市民の声が入る工夫をしている

今は、ありとあらゆる方法を尽くし、手間と暇をかけて、データや紙切れのうえの安全性でなく、信頼に裏打ちされた安心をつくらないといけないとき

日本の民主主義が、試されている。立派な仕組みをつくり、これなら安心だと、世界中の人に思ってもらう必要がある

そうしないと外国の人もお金も日本には入ってこなくなる。原発を生かして、日本経済をつぶすことになる


以上の全文はこのサイトにあります:

http://eisaku-sato.jp/blg/2011/04/000052.html


次頁にも貼っておきます。

このシリーズの1で

4月18日に行われた外国特派員協会記者会見の冒頭発言全文を英訳含め掲載します。
※取材掲載記事・出演スケジュールはこちらです

---
以前、福島県知事をしておりました、佐藤栄佐久と申します。
福島第一原発は、できてから今年でちょうど、40年になるところでした。
そのうち18年、約半分の期間、私は知事として、原発が次々巻き起こした問題に取り組みました。

わたくしは、今度の事件は、起こるべくして起きたものである、決して「想定外」ではなかったと、そう思っております。

なぜ、防げなかったのかについて、本日は述べようと思います。この先、日本は原子力発電についてどんな政策をもつべきか、それについてもお話します。

簡潔に述べまして、なるべく多くの質問を頂戴します。

それから、今日は原発のことしか話しません。もっと色々、私には話すことがあるのですが、それには、ざっと3時間半かかります。興味がある方は、ここにわたしの本を持ってきていますから、ぜひ買って帰ってお読みください。

本題に入ります。なぜ、今度の事故は防げたと思うのか。理由の1つは、去年、2010年の6月に起きたある事故です。実は、今度とそっくりの事故が福島第一で起きました。

6月17日のことです。
福島第一原発の2号機で、なぜか電源が止まり、原子炉へ水を入れるポンプが止まりました。冷却水が入らなくなって、原子炉の中の水が蒸発し始めました。今度と同じです。放置すると燃料棒が熱で崩れ、最悪の事態につながる恐れが生じたのです。

東京電力の説明によると、このときは非常用ディーゼル発電機が動いたそうです。それで、ポンプを手動でスタートさせ、水を戻すことができたということです。

しかし、電源を失うと何が起きるのか、東電はこのとき、意図しないかたちで予行演習をしたようなものです。これでもし、非常用ディーゼル発電機までやられたらどうなるかということは、当然心配しておかなくてはいけない事故でした。

電源について、もっと安全を図っておくことは、この事件ひとつを教訓としただけでも、可能でした。それが、理由の第一です。

理由の2は、日本の原発政策は、地震をずっと軽視してきたということです。

詳しくは触れませんが、神戸大学名誉教授の石橋克彦さんなどが、地震研究の進歩を踏まえ、原発の耐震基準が甘すぎると、たびたび警告しておりました。

今度の地震で、原子炉は自動停止し、当初は建屋もびくともしなかったから、むしろ耐久力が実証されたという人がいます。しかし、石橋教授が口を酸っぱくして言っていたのは、大きな地震が起きると、同時に色々な損害が起き、それが重なり合うと手に負えなくなる、ということでした。

現に、今回も全電源喪失という事態となり、水素爆発が起きてからは、作業にも支障をきたすということになったのですから、地震に耐えたことなど、慰めにならないわけです。

石橋教授は、今から5年前、国が原発の耐震基準を見直そうとしたとき、専門委員としてその作業に関わっていました。しかし、耐震基準を厳しくするといっても、いまある原発がひっかからない程度にするだけだということがわかったとき、抗議の意味を込めて、委員を辞めています。

地震の怖さ、とくに大きな地震がいろんな損害を生むリスクを軽く見ていたこと。そして、電源がなくなったときの恐怖は、去年の6月、事故を起こしてよくわかっていたこと。

と、これだけみても、福島第一の事故は防げたのだと、こう言えると思います。非常用電源を、津波でも大丈夫な場所に移し替えておきさえすれば、あんな事故にはならなかったわけです。

さて、それではどうして、国や、電力会社は、原発のリスクに十分備えようとしてこなかったのか。

それは、「安全でないかもしれない」という発想に立った政策には、まるでなっていないからです。

あれだけ危険なものと共存していきたいなら、リスクに最大限備えようとするのが当たり前です。しかし、リスクがあるとにおわせることすら、タブー視する傾向がありました。

つまり、日本の原子力政策は、次のようなロジックで成り立っているのです。

原子力発電は、絶対に必要である。
だから、原子力発電は、絶対に安全だということにしないといけない。

よく、東電という会社には、隠蔽体質があると、みなさん言われます。
それじゃあ東電の経営者を全部入れ替えたら、直るのかということです。

それから、保安院が経産省に入っているのはいけないから、これを出せ、という意見も聞きます。それをやるだけで直るのか、ということです。

わたしに言わせると、そんなことでは直りません。

福島第一原発、そして第二原発では故障やひび割れがたくさん見つかっていました。ところが、その点検記録を書き換えて、なかったことにしていたのです。
それがわかったのが、2002年8月でした。
このとき東電では、当時の社長と会長、担当副社長、それから元社長の相談役2人、合計5人がいっぺんに辞職しています。

辞めた相談役の1人は、経団連の会長まで務めた財界の超大物でした。
経営者を入れ替えろ、というのでしたら、一度それにちかいことを東電はしております。それでも、今度のことが起きたのです。

日本経済に必要な電力を供給するには、絶対に原発が必要である。
燃やしてできるプルトニウムは、貯めすぎると外国から疑われるから、再利用しないといけない。
つまり、必要だから必要なんだという理屈が、延々と続いていくのです。
危ないから注意しろ、というと、私のように、国家にとっての危険人物と見なされてしまうわけです。

これは、怖い理屈です。
国会議員だろうが、だれであろうが、この理屈には立ち向かえません。

そしてこれだけ有無を言わさないロジックが出来上がると、リスクをまともに計量しようとする姿勢すら、踏みつぶされてしまうのです。

しかも、事実を隠したり、見て見ぬふりをすることが、まるで正義であるかのような、そんな倒錯した価値観までできるのです。すべては、原発推進というお国のためなのですから。

こんな状態ですと、どれだけデータを見せられて安全だといわれても、安心できません。
なぜなら、安心とは、サイエンスではないからです。
安心とは、信頼です。違いますか?
原発を動かしている人を、国民が信頼できないと、安心はないからです。

私は、いまある原発を全部止めてしまえという意見では、ありません。
しかし、国民が原発に寄せる信頼がずたずたに壊れてしまった以上、いまのままの形で原発を続けていくことはできないと思います。


そこで最後に、この先の原発政策をどうすべきか、私の意見を申し上げて、終わりにします。

原子力安全委員会という、原発の安全政策の基本を決める組織があります。
権限は、紙に書かれたものを見る限り、充実しています。
しかし、実際には、ろくな審議もせず、有名無実です。
まずは、安全委員会を完全な独立組織とし、委員を国民から選ぶ制度にする必要があります。
その際には、わたしは喜んで手を挙げ、委員になろうと思います。

ドイツやフランスは、原発政策を変えるときなど、何年も何年も、議論を尽くします。
あらゆる過程に、市民の声が入る工夫をしています。

そんな悠長なことをしていると、日本経済がダメになる、と、政府や電力会社は言うでしょう。
これが、きょう私が申し上げた「絶対に必要だ、だから原発は安全だ」という原発絶対主義につながるのです。

いまは、ありとあらゆる方法を尽くして、長い長い手間と暇をかけて、データや紙切れのうえの安全性でなく、信頼に裏打ちされた安心をつくらないといけないときなのです。

日本の民主主義が、試されています。立派な仕組みをつくり、これなら安心だと、世界中の人に思ってもらう必要があります。
そうしないと、ここははっきり申し上げておきますが、外国の人もお金も、日本には入ってこなくなります。原発を生かして、日本経済をつぶすことになります。

それが、津波で命を落とした何千、何万の人たち、家を追われた何十万という人たちの、犠牲に報いる道でしょうか。原発に関わるすべての人たちは、この問いを、しっかり考えてほしいと思います。

以上で私の発言を終わります。

| おのまのプロフィール | 資料 原発事故 | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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