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林雨 第六十一回 未来をみるちから
 林雨 第六十一回 未来を見るちから  小野冬生

 

人は死ぬ間際になると過去のできごとが走馬灯のようによみがえることがあるそうですが、筆者は過去のできごとが毎日いちどは蘇ってきます。いまや人生交響曲の終楽章を演奏しているというのに頭の中は第一、第二、第三楽章が響いているような具合です。毎日が死に際のようなものです。

 

なんでそんなふうになっているかというと、幼児の頃に経験した満州でのできごとが衝撃的で、幼な心に怖いもの見たさがあったかなんかでもってまいにち繰り返し思い出しているうちに習慣になったのであろうと思います。

 

過去のすべてがよみがえってくるかというとそうではありません。今しがた見たものでも忘れてしまうことは多々あります。しかし大事なことであれば十年前は一秒前の如きです。一秒前ですから何度もみることができ、はじめは見逃していた細部がみえてきたりもします。

 

人はみなそういう風に生きているのだろうと思っていたのですが、いつの頃からかそうではなく、本当に大事なことなのにわずか一年前の光景さえよみがえってこない人がたくさんいることに気づくようになりました。

 

同じものを同じときに見ているのにいとも簡単に記憶から消えてしまう人が平然と生きているのを見ると自分がなにか別な世界に放り込まれたような空恐ろしい思いに駆られたりします。百万年むかしの原始人と一緒にいるような感じです。そういった感覚がとても鋭いひとは絶望感にとらわれ自死に走ったりするのではなかろうかとも思います。

 

さて、いま日本はすさまじい天災、人災に見舞われている最中ですがこれから日本人はどういう未来を作り出していくかが気になります。もし過去の延長線に沿って作るのであれば芳しからざる未来になると思います。筆者がくりかえし見てきた日本の二〜三十年には根本的な欠陥があるからです。

 

未来世界の主人公になる若い世代におかれては今をはっきりみることを心がけられるよう期待します。今がはっきり見えればあるべき未来が見えてきます。

 

はっきり見えない人はしっかり見つめることです。だんだんはっきりしてきます。はっきり見えないからといって今をそのまま忘却のかなたへ捨ててはいけません。それではいつまでたっても見るちからができずつまらない未来が生まれます。

 

前回の「林雨」でこんなことを書きました。

「日本民族は目の前のことには大いなる関心を示すけれどすぐに忘れてしまう、過去のできごとを未来のための教訓として生かす力が足りない、思考におけるしつこさがない」

 

「そういう民族性は(長所もあるが)一貫性の欠如とか無節操、支離滅裂という短所にもつながり時代の動きに対応できず混乱する。ここ二十年の日本は民族性が悪いほうに作用している」

 

「思考を猪突猛進、一直線に進めるのではなく、空間的には右をみたり左をみたり、時間的には過去・現在・未来をいったりきたりという風に爬行的に進めるのがよい」

 

今日がはっきり見えない人は時間をかけることです。今日が昨日になり、おとといになり、十年になったとしてもいいから今日の実相を見る努力をすることです。

 

たとえ十年後でもいいから今日の実相が見えるようになったらしめたものです。十年を五年、一年、一日と短縮していけば良いのです。今をはっきり見るために必要な時間が一秒に短縮された暁には未来を見る力がぐんと増しているはずです。

 

ひとたび波がよせればもろくも崩れてなくなる砂の器をつくるために先を急ぐのではなく、過去を振り返り、今をはっきり見るちから、未来を見るちからを養うことが肝要です。


2011年4月1日 @ 北バンクーバー

http://www.japancanadajournal.com/  

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過去・現在・未来をいったりきたりしたら「日本の二〜三十年には根本的な欠陥」が見えてくるでしょうか?

最近は日本の未来が心配で気が重いです。

「今をはっきり見るちから」ですね!
| はなな | 2011/04/02 11:24 PM |

既になくなった人が書いた語録や日記を読むのも助けになると思います。例をあげると 「日本への遺言」後藤田正晴・毎日新聞社、「私記・一軍人六十年の哀歓」今村均 芙蓉書房。二人ともそれぞれの時代で今をはっきり見ていた人だと思います。

目先のことで迷ったり悩んだりすることがあるのであればカール・セーガンの著書がいいでしょう。思い切り巨視的な観点で今を見ると気が楽になります。
| おのま | 2011/04/04 3:10 PM |










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