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帝国ホテル
帝国ホテルでぼやがあったというニュースを聞いて、ぼやっと考えていたら昔の景色がよみがえってきた

大学時代にアメリカの観光客を羽田空港で迎えてホテルまで届けるというアルバイトをしたことがあるとは2003年11月5日に書いた

http://onomar.jugem.jp/?day=20031105

迎える相手がひとりのときは別として、たいがいは先輩アルバイトとの二人三脚であった。迷子がでないように見張るのが仕事であった

当時は背広姿でないとホテルに入れなかったのでアルバイトを始めるにあたって吉祥寺の駅前にできたばかりの丸井デパートで背広を買ったものだ。六千円だったと思う。三回か四回の分割ばらいだった

三鷹にあった大学の寮からバスの停留所にでるまでの道は舗装されておらず、これまた新調した革靴は土ぼこりで汚れた

アメリカからやってくる観光客を羽田で迎える姿を想像してみる。彼らはお金持ち。こちらは安物の背広と汚れた靴。当時の為替レートは1ドル=360円で換算すると背広は16.66ドル。そのくらいならアメリカ人たちは一日で使っていたのではなかろうか。彼我の格差大なり。背広のごわごわした手触りを思い出した

送る先は帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ホテルオークラのどれかであった。いずれも入るのは初めてだったが、その中で印象に残ったのは帝国ホテルであった

フランク・ロイド・ライトの設計による大谷石でできた建物は日比谷通りから玄関に至るまでのアプローチが美しくそこを通りぬけるだけでも気分は高揚した



ロビーは薄暗く静かで、その雰囲気はオークラやニューオータニより上等。葉巻の香りが漂っているのも帝国ホテルだけだった。当時は葉巻なるものを知らない。葉巻の匂いだと気づいたのは何年かあとのことである



ホテルでアメリカ人たちをチェックインさせたあとは、先輩と交通費などの費用を計算して三鷹に帰るのだが、あるとき飛行機の到着が遅れたかなにかで計算が終わったときには終電車がなくなっていた

そういうことに慣れている先輩はいとも簡単に部屋を取ってくれた

もらった鍵の番号をみて部屋を探したのだがみつからない

部屋の番号を覚えていないが、たとえば357号室だとする。三階にある57号室というわけだ

廊下を歩いていくと356号室、358号室はあるのだが357号室がない。悪い夢を見ているような気分で廊下をなんどか行き来しているうちに小さな階段をみつけた。もしやと思って上がって行ったら357号室があった

アンネ・フランクの隠れ部屋という風情の小さな部屋で部屋の壁も大谷石だったのを思い出す

あれから何十年かたった。色々なホテルに泊まってきたが、もう一度だけ泊まれといわれたらあの部屋を選ぶかもしれない。その部屋のためだけについている小さな階段を上りたいと思うのだ



ライトの帝国ホテルは取り壊され、一部が明治村に保存されている。いちど見に行ったが、さわりのところだけしか残っておらず何ともいえない寂寥感にとらわれた

サラリーマンになって十年くらいのころ、急ぎの仕事ができて帝国ホテルに数日泊り込んだことがある。何の感興もなかった

ときどき東京のホテルに泊まるが帝国ホテルは敬遠している。ロビーは大通りのように人が往来しているし、オールド・インペリアル・バーはいつも満員でうるさい。音がうるさいというのではない。客たちがつくっている雰囲気がうるさい。そういうのは帝国ホテルだけのことではないのだが

ひとけのないバルコニーでぼやっと時間を過ごしたこともあったなあ



↑の造りに似たバルコニーのあるホテルがトロントにある

http://www.fairmont.com/RoyalYork/

ジェイ・モートンに教えてもらったLibrary Barはかつてのオールド・インペリアル・バーのような雰囲気があった。いつ行っても空いていて、日本人の姿を見ることは全く無かった

ランチを食べに行ったり、夕方立ち寄ったりしているうちにバーテンやウェイトレスと顔なじみになった。ホテル製のパンがうまかったのでパンを肴にビールを飲むことが多かった。あるとき勘定を払って帰ろうとしたらバーテンがパンを数個紙袋にいれて渡してくれた



| おのまのプロフィール | ホテル | 08:44 | comments(2) | trackbacks(0) |
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おのまさん、お久しぶりです。お身体の調子はいかかですか?        それにしても、おのまさんって、私と好みが一緒だったり・・・       花もそう、絵は書けませんが見るのは好きだし、記事の内容にしても     空港のセンディングのアルバイトは、朝が苦手なので(笑)あきらめましたが、今でも、挑戦しようかなって、時々思います。    ホテルは、旅行代理店に勤めていた時に、よく、パンフレットを見たりしていました。         国内では、周りの緑に囲まれいている風景が一番ってことで、屈斜路プリンスが一番好きです。 
ここの料理がサイコー! そしてカナダ、いつかエンプレスとパンパシフィックには泊まりたいですね。 パンパシフィックは、ほんとに目立ちますね! 今も、なんとなく覚えています。 でも、昔の帝国ホテルが、こんなふうだったとは・・レトロぽくていいですね。確か、小樽ホテル?も拓殖銀行を改造してだと思いますが、ここもレトロ感たっぷりでした。    
近代的なホテルよりも、どちからというとクラシックやレトロ漂うホテルのほうが好きです。
| E | 2008/08/20 10:21 PM |

屈斜路プリンスをみたら温泉があるようですね。カナダのホテルは温泉があってもプールだから日本人には物足りない。混浴ですけどね(笑)
| おのま | 2008/08/21 11:42 AM |










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