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林雨 第二十四回  「ビルマの花」 
林雨 第二十四回  「ビルマの花」  小野冬生

筆者には物心がついた頃から今にいたるまで、自分の体験した光景が一日に一度は心に浮かんでくるという妙な癖があり、数十年たった今でも幼児のときにみた光景を見ています。時代時代の空気もよみがえってきます。

若いころはそういう日々をつらく思う時期もありました。なにせ、現実は楽しいことばかりではありません。体験したすべての痛みをまいにち感じるのはしんどいわけです。

この年になると蘇ってくる幼児の自分を突き放して眺めることができ、また大概のことに対する耐性力ができていますからそういう癖のよさを見直したりもします。

どういうことかというと、毎日、何十年かの流れをみているうちに次に何がおきるかが分るようになるのです。筆者より未来の事がよくわかるという人は何人もいることでしょうが、そういう人たちも案外おなじような癖を持っているのかもしれません。

しかし、大概のひとは自分の一生をまいにち振り返ったりしません。目の前でサプライズがあると簡単にだまされます。

田中真紀子という虚言癖のあるおばさんが外務大臣になったときに拍手喝采したひとなどは正にそういう人で、なんであのとき騙されたのだろうと数年たって気がつく善人です。顔をみただけでわかると思うのですが、悪も嘘も善意に受け止めるのが善人ですから仕方ありません。

「善人」というのはしばしば「愚かな人」と同義に使われるらしいのですが、気にすることはありません。いまだに田中真紀子や小泉純一郎が良いと思っている「チョー善人」がいますから。

さて、チョー善人でも毎年いちどは戦争のことを思ったり、語ったりするのが八月十五日。その日にちなんで一冊の本を紹介します。まいにち戦争の光景を見ていて、耐性力ができているはずの筆者が涙を流すという本です。

戦記を読むと「殺伐」とか「悲惨」とかいうものがストレートに伝わってくるのが多いのですが、「ビルマの花 戦場の父からの手紙」(福田恵子著・みすず書房・1988年8月発行)に収められた娘・恵子にあてた秋庭昂(あきばこう)中尉が送りつづけた手紙にはほのぼのとした風景がたくさんあります。

昨日カラ コトリノ アカチャンニ 餌ヲヤッテイマス。  コトリノゴハンハ ミミヅヤ ハエヤ クモヤ ムシナドデ タクサンタベマス。 オトナニナルト カラダハ ウス茶色デ アタマト尾ガ クロク クチバシト アシハ 眞黄色デ トブトキニハ ハネニ シロイ紋ガミエマス。 トテモ ヨク慣レテ ヘイタイサンノ アタマヤ カタニ トマッテドコマデデモ イキマス。ダレノカタニデモ トンデイッテ トマリマス。
こうしたほのぼのとした手紙を85通送りつづけますが、さいごの数通以外はすべて色鉛筆で描いた鳥、花、山、船、子どもなどの絵がついていて、秋庭昂というひとの精神性や良き庶民のくらしぶりが伝わってきます。

秋庭は三十八歳で射殺されますが遺骨は未帰還。秋庭のそうした死に値する「大義」とは何であったのだろうか、実は大義などというのはマヤカシであって、あさはかな人間たちを指導者として仰いだ時代の犠牲者ではなかったのではなかろうかと粛然とさせられる絵手紙です。

小泉が悪の種を蒔いて六年。日本が不戦を誓って六十余年。

紹介してもチョー善人は読まないに違いないとは分っていますが、観念的に、あるいは善人的に生きていて、それでも戦争あるいは政治について語りたいというひとには読んでおいて欲しい本ではあるのです。

Wednesday, August 15, 2007 @北バンクーバー

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