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戦争の霧・マクナマラ

日本語で「戦争の霧」と訳されているかどうか知りませんが、ドキュメンタリー映画「the fog of war」をみました。ケネディー、ジョンソン政権の国防長官であったロバート・ストレインジ・マクナマラのインタビュー記録。

1918年、二歳のときにみた第一次大戦の戦勝の様子を覚えている秀才マクナマラ。長じて第二次大戦の作戦、ベトナム戦争の拡大に関わり、いってみれば戦争犯罪人とでもいえる人生を送ります。

国防長官のあとに世界銀行総裁になるという成功者ですが、無辜(むこ)の人たちを何十万人と殺した責任者のひとりであることに間違いなく、亡霊とむかいあう年になった今、みずからの所業、悪行の正当化を試みようとする老人のあわれさがみえる映画です。

「11のレッスン」という副題のとおりマクナマラの信条がてぎわよく描かれていき、最後、11番目のレッスンが「ニンゲンの本性は変わらない」。戦争はニンゲンの本性であって、自分はそのなかに巻き込まれただけだとつぶやいて映画は終わります。

ニンゲンの本性だから戦争はなくならないと言いたいのでしょうが、もうすぐ死ぬであろう戦争ニンゲンの呪詛を、若い人たちが受けいれる必要はありません。量も質も速度も格段にすぐれた情報を多くのニンゲンが共有できる時代の若者はもっと利口な選択ができるはずです。徳川時代250年、第二次大戦後50年の日本人は戦争をしていないという実例もあります。戦争はニンゲンの本性、とうそぶく人に対しては、あなたの本性はそうかも知れないが自分は違うと言い返せばよい。

哀れな老人ではありますが、映画でみるかぎりマクナマラの頭の回転はよく、どうやら歯も自前のようで、言語がしっかりしていて、ジョージ・ブッシュの意味不明な演説や小泉純一郎の国会答弁(あれで答弁っていえるのですかね)を聴くよりは知的満足感があります。お勧め映画です。


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