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過去⇔現在を行ったり来たり・ときどき未来へも@バンクーバー 

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ニンゲンのからだ
霧の中で写真をとると目ではみえない景色が写ると知ったのはM商事の坂井夫人、M社の佐藤夫妻とデビルスパルピットを回ったときだから十年前。ティーグラウンドで撮った写真を現像したら、コンデンスミルクの霧のかわりに景色が写っていたのでびっくりし、霧の水滴で景色が見えなくなるニンゲンの目って一体どれほどのモノなのか、予知夢をみることがあるが、あれはどういうからくりになっているのかと考えた。

この宇宙には目に見えないものがたくさんある、お天道様が見ているよと昔からいってきた日本人はえらいものだ、目にみえないからといってでたらめやってはいけないと自戒しつつ、それにしてもジョージ・ジュンの嘘はお天道さまでなくても見抜けますぜと、今朝も元気にご挨拶。ハーイ、ジョージ、ジュンをつれてお散歩ですね。

霧が晴れたとき、坂井夫人が「霧が晴れるのを英語ではliftといいます」と言ったのを思い出しました。そのとき、霧たちのぼるというのは地面から霧が湧いてくることだと思っていたけれど、霧が晴れることなのかと思ったのですが、さてどちらでしょう。ご存知のかた教えてください。

そういえば霧立のぼるという女優はどんなひとだったのだろうとグッグってみたら、1936年から1940年のブロマイド売上ベスト10に入っていることが分かりましたが、写真はみつかりませんでした。あの時代の女優っておなじ美女でも今と比べてどこか違います。見て安心感を覚えるというか。子供の頃ケガラワシイと思った岡田茉莉子がいまは凛々しく(りりしく)可愛く見えるのはこちらが年とったせいにきまっています。

スコットの背中をみて、ロープトウで滑ってみようと思い直し、ロープトウが回っている音を頼りに歩いていくと、オーノー濃霧、ミステリーピークのリフトの前に出てしまいました。泳ぐようにしてたどり着いたロープトウに先客は五人。木曜より少ない。カメラの出し入れが楽にできるからと思って、ユニクロで買った茶色のコートを着てきたのですが、霧氷がすぐ溶けてぐっしょり濡れ、手袋の中もぐちゃぐちゃで気持ち悪い、などということに気が回るのは気持ちが負けているのです。負けを承知のオトコがカワイなどと与太はダメ。敢然と滑る。

一本目。ボードやスキーで削られた雪と降ったままの雪との高低差が十センチ。つっこむと湿ったキナコは言い過ぎにしても、べたりと重たく、ブレーキがかかってつんのめります。気分悪し。量は多いし、真っ白ですが昨日より難しい。見た目は美人のキュット雪、滑ると停まるグズリ雪。ロープトウの乗り場に近づくほどグズリます。下のほうが温度が高いからでしょう。

ロープをポイントだけで掴むのは心配、手のひら全体でしっかり握り締めると、体がこわばり両足、腰が痛くなってきます。木曜日のように足を片方ずつあげたりしたら転ぶに違いありません。足の底で雪をしっかり感じながら登っていきます。ロープを放してすべり上がろうとしても板が前に進みません。後ろ手に持ったストックで体を押しあげるエネルギーの浪費で今日の一本、昨日の二本

二本目もおっかなびっくりでグズリに合わせていると手先、足先の冷たさばかりが気になって、もう帰りたい。若い頃デートの最中にそんな気持ちになったことがあったか、なかったか、思い出せませんが、若いご婦人方、グズリ雪はいけませんよ。オンナは愛嬌、新雪に、軽く明るく楽しいデート、それがほんとの美人です。若い紳士の方もそうです。オトコは度胸、新雪に、以下同文。

ミステリーピークだって今日はグズリに違いない、視界は昨日より悪い、霧氷は最悪、滑るのは危険、ロープトウで二十本滑って帰ろう。

あと十七本、疲れた。無理藻かな。「三本でやめるなんてゼータクーというゆうきんママの声が聞こえてきそうですが、フフフ、羨ましいか、このリズムが欲しかった 」なんて洒落にならない。

曇っためがねをびちゃびちゃユニクロのポケットにしまいました。キスとスキーにめがねは邪魔よ。転んで割れたらどうしよう、なんてマイナス思考はオフリミット、絶対転ばぬ先の杖、ストックつきつきよたよた滑降、ヨカ格好じゃ、と覚悟をきめれば、これはこれで前向きの姿勢、悪くありません。

四本目が終わると、さっきまで五人だったのが、チョー初心者のレッスンが二組はいって十数人になっていました。混んでいるのでひと休みすると心臓がバクバク、肺がゼイゼイしてきました。足腰にできた乳酸を懸命に除去しようとしているのでしょう。汗をかいたり、足が麻痺したりは昔からあったけれど、両肩で息をするようになったのはいつからだろう、この前のウイスラーではそうだった、加齢とはこういうことなのだ。しみじみ

休まなければぜいぜいしないままで滑ることができますが、そうすると知らないうちに心臓に負担をかけて突然死ということになるのでしょう。1980年代ショーネシーゴルフのヘッドプロだったジャック・マクロクリンがペブルビーチでプレイしている最中に心臓麻痺をおこして逝ったのもそんなことだったのだろう、ジャックはいい奴だった、パルピットのべン・カーンは癌になって半年で逝っちゃった、善人は早死にする、次は自分の番だ、などということは書いている弾みでいま思いついたことです。

休まずに滑りつづけたら、死ぬかもしれない、雪上死なら綺麗で良いじゃないか、別なものの上で死にたいなんていったアイツは、死なれたヒトの当惑、親戚縁者たちの困惑を考えない身勝手なオトコだぜ、などと妙なことを考えていたのですが、ふと、手先が温かい、足の指もぽかぽかしている、下着は汗でびっしょりだと気がつきました。どうやら血が激流となってからだ中を駆け回っているようです。 

洪水のごとく流れる赤い血を感じる今がぼくの青春 
おのま・あ・ら・俵万智 
サムエル・ウルマンの青春とは・・に似てキモイか。削除する良いあるか。まあ、いいか。

目の前に小さな子供がとびだしました。ストックなしで滑っていきます。どんどん早くなり、板が雪を掴んでいない、あぶない、転ぶ、と思ったら転びません。八の字の脚がぐっと雪をおさえたその瞬間に脳の神経がピュッと伸び、体の筋肉がピリッと増えたに違いありません。感心しつつ、よし、加齢には加齢のやり方がある。

あの子は小脳ですべっている、今が青春大脳で滑る
おのま・あ・ら・吉永小百合

十五本目を滑ると肺ぜいぜいの時間が短くなりました。限界だと思っていてもそれを超えると急に楽になることがあるとマラソンをやっている太田さんが言っていたのを思い出します。

十八本滑ったところで、ライトがつきました。夜間スキーをやった二十年前、リフトの上から嬉々としてすべっている子供達をみていたら、狸や狐と同じだなと思えてきて、世界中の子供がこうすれば、戦争をする大人にならないかもしれないと思ったものですが、甘いですか。



二十本目が終わったときは、ついに滑った、はあはあ、ぜいぜい、ではなく、いくらでも滑れるぜ、余裕しゃくしゃく涼しい顔でした。ロープトウにつかまりながら足を交互に上げられるようにもなっていました。左の肩甲骨から左の腰、腹、脚、足と一枚岩のようにこわばっていたのが溶けてきた感じがします。血が行きわたって神経が伸び麻痺が軽くなったのかもしれません。

グズリとすっかり仲良くなり、二十六本目を滑りました。積み木のようにカチンカチンだった体が、もう少しで皮袋に入ったどぶろくのようにタポタポしてきそうです。区切りが良い三十本までやってみようかとはやる気持ちを抑えて板を外しました。靴のバックルをゆるめて歩きはじめると、温かい足の底が上ずって、くすぐったい。太ももは乳酸が溶けていく快感と筋肉痛とがせめぎあっていい気持ちです。限界をもうひとつ超すのが正解か、ここであがるのが正解か分かりませんが、今日のところは

目の前に出される餌を全部たべ、腹をこわすはバカな犬なり おのま・あ・ら・イソップ

と考えて、別の機会に挑戦します。

家に着いたら、手袋がありません。スキーを車の上に乗せるとき、一緒に手袋ものせてそのまま走り出したのでしょう。昔よくやっていた失敗を久しぶりにやりました。

どぶろくの体で頭もどぶろくに 
おのま・あ・ら・おのま

デビルスパルピット=トロントから六十キロのところにあるゴルフクラブ・四万四千ドルで買った会員権がいまは五万五千ドル・バンクーバーにあるどのゴルフ場より素晴らしいけれど、去年は一回しかプレイしなかった・年会費など六十万円払って一回はゼータクを通り越して馬鹿げていると自覚しているhttp://www.devilspulpit.com/thehomepage.html

お天道様=おてんとさま・おてんとうさま・太陽のこと・おてんとさまがみてるよと一言いえば悪がきが正座する・聖書の十戒よりはるかに効き目があるおまじない

無理藻=はたち代のSEが書いているブログ・完成度、感性度が高いデザインを見ないと損・頼むとイラストいりカードを送ってもらえるhttp://blog.livedoor.jp/imgnote/

乳酸 =運動によってグリコーゲンやブドウ糖などが使われるときに生成される酸・筋肉痛の原因と考えられている・除去するためにクーリングダウンを行う

あ・ら=a la・風に・例:a la francaise=フランス風に・フランス語・正しい綴りは辞書でみてください
| おのまのプロフィール | スポーツ | 11:14 | comments(2) | trackbacks(0) |
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ロープトウ26本完走、おめでとうございまあす!
ロープトウって、日本では見かけないと思うのですけどロープ自体がリフトみたいに動いてるのですか?それとも、ロープが張ってあってそれにそってすべるのですかぁ?
どちらにしてもロープトウハイになって超健康になっていく、おのまさんの姿はスガスガしいでえす!
宇和島に行かれた事があるのですか。
宇和島は日本で大ヒットした「世界の中心から愛を叫ぶ」という小説の舞台になった土地ですね。という事は作者の方も宇和島出身なのかなぁ。
私は中予に住んでまあす。
| チギ | 2006/01/11 6:16 PM |

書き方がまぎらわしかったですね。滑ったのはロープ・トウのあるスロープです。スロープを滑ったあと動いているロープで引っ張り(tow)あげられる、はい、椅子のないリフトです。

Tバーというのがウイスラーやトロントにあります。ロープにバー(棒)がぶら下がっていて、これに腰をかけて運ばれます。ロープトウもTバーも足を地面につけ滑っていくからコツがいります。転ぶとうしろからくるひとと衝突し、玉つき転倒になることもあります。

母の実家が北宇和郡の山。いまは町になっていますが私がいたときは村でした。
| おのま | 2006/01/12 4:51 AM |










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