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過去⇔現在を行ったり来たり・ときどき未来へも@バンクーバー 

物理と天文 春の音楽会
三月二日にシーモアでスキーをいっしょにした物理学生ユナさんのブログの抜粋:

四日(火)7時からUBC音楽学部のリサイタルホールにて、物理学部恒例の音楽会があります。

物理・天文学部の教授方、院生、学部生。
音楽とはかけ離れていそうな物理学者ですが、実際は音楽を愛する心のある人なんだ、と言う当たり前のことに、なんだか嬉しくなります。

大好きな相対性理論の先生は、今年はチェロをお披露目してくれるそう!! 卒業前に「あの」チェロがまた聴けるなんて光栄ですわww

(今日話したら、水曜の論文の発表のときに、チェロでBGMを担当してくれると言うオファーがありました! 丁重にお断りさせていただきましたがww)

もし興味のある方はお立ち寄りくださいな☆


「論文の発表のときに、チェロでBGMを担当してくれる」というくだりに興味がわき、興味のありそうな三人に電話をしたところ、アツコさんが行くとのこと。



三人とも三月二日にスキーをして以来の再会、アツコさんがゆなさんにやせたのではないかと言い、わたしはアツコさんが大人っぽくなったと思っていました。二人がもっているプログラムの表紙には Physics & Astronomy Spring Concert(物理と天文 春の音楽会) とあります。

17組の演奏の中でもっとも印象に残ったのは二胡&ピアノで弾かれた The Charm of Heaven Mountain。「天山の呪文」と訳すのでしょうか、曲も良いし、演奏もすばらしく、二胡を弾いたJohnny Wangの技はギル・シャハムに負けないのではなかろうかと思ったほどです。聴いているときは余り印象がなかったのですがピアノの伴奏をした Nancy Lu が翌朝の夢に現れたので驚きました。夢に音楽家が出てきたのは初めてのことです。

休憩時間にWang氏に聞くとEngineer Physicsを学んでいる学生、昨年はコンサートをしたとのこと。今年はコンサートの予定は無いと言いますが、ぜひもう一度聴きたい演奏です。ゆなさん、フォローお願い!(笑)

ゆなさんが譜めくりをしたAndrew Wilsonは数学と物理学ふたつの優等生だそうです。彼が弾いたバッハのゴールドベルク変奏曲・アリアと第一変奏曲はしっかりした演奏で、拍手がなかなか鳴り止みませんでした。

グレン・グールドが好きだと言うアンドリューに「グレン・グールドのバッハ全集」を持っていると言うと、モノラルかステレオかと尋ねられました。
「さあて、どっちだろう、1975年ころに買ったレコードだ」
「であれば1955年の録音だろう」

家に戻ってしらべたところゴールドベルク・1955年6月10、14-16日録音とありました。長いあいだレコードを聴いていません。日本で中古のアンプを買おうと思いながらどのくらいたったのだろう。今度こそ買ってこよう。

紐の理論(物理学の最先端理論の一つ)の教授のアルトサックスと数学教授のジャズピアノによるデユーク・エリントンも絶品でした。音楽を楽しむのにアマチュア、プロという区分けはいりませんね。プロの演奏でも眉をひそめることは珍しくないし。

レセプションでの写真です。

論文発表にチェロを演奏しようといったMark Halpern教授とゆなさん。教え子が可愛くて仕方ないという顔。



バッハとラフマニノフを弾いたアンドリュー。



レセプションのあと夜桜の下で。男性はゆなさんのmixi友人darhさん。



良いコンサートでした。次回も楽しみ。
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V for Vendetta (復讐のV)
映画が安く見られる火曜日。二十一日の夕方、なにかないかとサイトを探して見つけたのがこれ。「圧政と闘う物語」は好みじゃないけれど、SF映画、レビューの点数が高いとあったので出かけました。

ここのところ世間の水準が低いのか、こちらの感受性が鈍いのか、レビューで高い評価がある映画をみつけ勇んで出かけては、チガウデハナイカと帰ってくることが多かったのですが、この日はビンゴ。オモシロイ、完成度タカイ、モイチドミタイと満足しながらエスペランド映画館(Empire Esplanade 6)をでました。

レビューを書くのが遅れ、映画の背景を調べる時間ができたのでググッてみると、なるほど完成度の高いわけが分かりました。アラン・ムーア(Allan Moore)というコミック作家の巨匠が1982年から1985年にかけて発表した作品をもとに作られた映画でした。ストーリーがしっかりしているのです。

「モイチドミタイ、今度は豊富な予備知識を持って」と北バンクーバー、マリン通りにあるインディゴ書店に行って見るとコミックが一冊だけありました。映画のために小説化されたペーパーバックは山積み。

両方を読み始め、知識が多くなるとレビューを書くのが怖くなり、どうやら予備知識があるらしい大後輩・千尋さんに任せる方が無事だったなと反省しています。

ということで、中途半端な知識に頼ったレビューはやめにして、丸腰で臨んで浮かんできたオモシロイ、モイチドミタイの要点を以下にしるします。

色:
「スーパーマン」「スパイダーマン」「Xメン」「バットマン」など超人もの映画の中で、これはフィクションですよという色使いをしているのが「バットマン」だと思うのですが、それに近い色でした。現実世界にない色、陰翳に重きをおいた色、私もそういう風に写真を加工することがあります。想像力を刺激し、対象の本質に迫れることがあると思うからです。

音:
政府のおしつけ文化以外が禁止されているという時代設定のなか、街路にめぐらされたスピーカーから「大序曲1812年」が流れだし、花火があがり、建物が崩壊していく光景に衝撃を受けました。←これから見る人のために書いちゃいけなかったか。


私より上の世代に属するジュークボックスから流れてくるブルースが無性に懐かしく聞こえ、欲しくなりました。中学、高校の頃は軽薄・俗悪な機械だと思っていたのですが。

ストーリー:
「1984年」「怪傑ゾロ」「オペラ座の怪人」「プリズナーNo6」「岩窟王」を思い出させるストーリー。主人公のキャラが崩れてしまうオペラ座風メロドラマは要らないと思いました。近時のアメリカ政府、キリスト教会、マスメディアに対する皮肉も読み取れます。レビューをみるとクリスチャンと思しき人たちがこの映画を最悪と酷評していますが少数意見です。


どこからともなく現れて弱者を助ける対症療法的、スーパーマン的な英雄というより、虐げられているグループ全体を強くさせようと考える予防療法的、七人の侍的な英雄、そして・・・おっと、これ以上書いてはいけませんな。


政府指導者、聖職者など体制側の要人がいずれも単純、粗暴、邪悪な人物に描かれていて、強敵としての凄みがないところが物足りませんが、かえって、現実世界は複雑でキビシイと分からせてくれるのかもしれません。

影響があったと思われる映画:
「椿三十郎」
四十四年前に観客を驚嘆させた三船敏郎と仲代達矢との決闘シーンはすっかりグローバルスタンダードになりましたね。


「007 ロシアより愛をこめて」
四十三年前、イントロの斬新さが際立っていました。はてな、影響を受けているのかどうか自信がなくなりました。テンポの良い映画で影響があると思ったのですが。


「椿」の影響テンコもりの「キル・ビル」の赤い色の影響もあると思いました。

おもしろさ度:
「殺人狂時代」のおもしろさに似ていると思いました。主人公の偏執狂的な要素も良い勝負。東宝・1967年・岡本喜八監督・主な出演者:天本英世、仲代達矢、団令子。

以上、予備知識なしで見た素朴な感想でした。イギリスの歴史、原作者アラン・ムーアの思想、英語の言葉遊びが分かった上で見たらもっと面白いに違いありませんが、そういうものが全くなくても楽しめる娯楽性の豊かな映画です。

http://vforvendetta.warnerbros.com/
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土曜の朝はラテン
クラシック音楽専門のFM放送局がありますが、週末になると朝からジャズやラテン音楽が流れます。

ラテンにあわせて振りたいのがマラカス。全身を使って集中しなければ良いリズムが生まれませんが、振れば音が出、からだが軟らかくなり、気分が良くなります。この二十年のあいだマラカスを買おうと何度思ったか分りませんが、優先順位は低く買ったことがありません。

土曜の朝、ラジオから流れてくるラテンを聴いているうちに、よし今日こそ買いにいこうと思ったとたん、待て、今すぐできる良い方法があるとひらめき、早速やってみました。完成するまでの所要時間は一分。



鳥のえさとして買っているひまわりの実をペットボトルにいれて出来上がり。重さも音も悪くありません。

ペットマラカスを振りながら又もひらめきました。固くてなかなか出来あがらない幹壇をドラムに、ノミ(鑿)をスティックに見立てたたいてみると、これまた乙。ノミを変えたり、たたく場所を変えたりすると違った音がでます。



ペットマラカスと幹壇ドラムで遊んだのは三十分たらず。肩が軟らかくなり、ひまわりの実が粉になりつつあります。ずべて粉になったらどんな音になるのでしょうか。

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イツァク・パールマンを聴いて

トロントにいたころ、何度かパールマン・Itzak Perlmanの演奏を聴く機会を逃しました。縁がなかったのでしょう。

二十二日、日曜日、オーフィウム劇場でパールマンの演奏会。バンクーバーに来るのは十三年ぶりとのことでチケットはあっというまに売り切れ。ギル・シャハムが一番と思っているので別に悔しいとは思いませんでした。

先週のこと、メル・種村氏の奥さんが日本に帰っていることを知り、では一枚あまっているかもしれないと電話をしたらビンゴ。前から八列、メルの右隣でベートーベンのバイオリン協奏曲を聴きました。

幼い頃小児麻痺にかかり、脚が不自由なため椅子に座っての演奏で、見ているとやりにくそうな感じがしますが、目をつぶるとそんなものは全く消え、よどみのない静寂な世界が心にしみわたってきます。

演奏を終えて椅子から立ち上がろうとして、何度か失敗しましたが、誰かが手を差延べることもありません。自力でステージに現れ、すわり、演奏し、立ち上がる。三度ステージに呼び戻され、最後は白旗のつもりでしょう、黒い帯のようなものを放りいれました。それでもなりやまぬ拍手に幕際まで歩いてきました。

昨年の今ごろサラ・チャンを聴いた時は感動しただけでしたが、今回は、パールマンが成し遂げてきたことに匹敵する何かを、自分はやってきたのだろうか、やっていないとすれば、これから何をなすべきなのかと考えながら雨の中を歩きました。

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ノーマン・ロックウェル
チギさんのカキコミでノーマン・ロックウェル(1894-1978)というアメリカの画家を思い出しました。ロックウェルをご存知ないかたは下のサイトをご覧下さい。自画像がでてきます。
http://www.nrm.org/

1994年夏の終わり、タングルウッド音楽祭http://www.bso.org/に行ったとき、近くにロックウェルのアトリエがあるのを知り見にいき、資料をみてびっくりしました。彼は私が会社に入ったばかりの頃に受けていた通信教育の教授陣のひとりだったのです。

会社に入ったものの、夜遅くまで単純な仕事をする日々がいやになり、学生時代おこづかいを稼いだイラストの道で生業(なりわい)をたてようと一念発起。フェイマス・アーティスツ・スクールという通信教育を受講し、いい線をいってたのですが、会社が要求するエネルギー&時間との戦いにあえなく挫折しました。http://www.famous-artists-school.com/index.php/

会社を辞めて半年たった頃にかつての先生と出逢った、続けていれば生きて会えたかも知れない、この環境のなかで過ごした先生の時間はなんと良い時間だったかと感慨にふけりました。

思いだしたが吉日の一月十五日、ロックウェルの「自画像」=自画像を描いている自分の絵をパロってみました。機械室の板壁に穴倉のような物置を描いているおのーまん・ロックウェル。



イラスト板を外すと穴倉が現れる仕掛けになっています。



板の下地にメタリック・ペイントを施したものだから絵の具が板に付きにくいです。画伯業が板についていないオノーマン・ロックウェル。
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三国町で出会った幸運・10・高木裕美
ちょうど一ヶ月前の十一月十一日の夜、福井県立歴史博物館のホールでピアニスト・高木裕美さんの演奏会を聴きました。

博物館の館長・仁科章さんによると、博物館で開く初めてのコンサートとのことで、開演まぎわまで椅子や照明の位置をあれこれ動かしていました。

ホールの壁に大理石が貼ってあるため音の反響が大き過ぎます。人間でピアノを囲んだら少しはよくなるだろうと水沢さんと意見が一致して、演奏者の背中をみおろす階段、演奏者と真向かいになる床にも椅子を置きませんかと博物館のスタッフに提案したところ階段はオーケーが出ましたが演奏者の真向かいは却下されました。却下の理由は大したことではなく、いってみれば日本のお役人に共通する「不作為症候群」からきたものです。


高木裕美さんはさすがに余裕しゃくしゃくの演奏。曲を解説するトークが和気藹々(わきあいあい)、ユーモアたっぷりで聴衆のハートをつかんでしまい、演奏が終わると高木さんのCD(四種類)が飛ぶように売れていました。




http://homepage2.nifty.com/funfan/

演奏会のあと、高木、水沢夫妻が連れて行ってくれたのが「料理茶屋 魚志楼(うおしろう)」。明治、大正時代には芸者を置いている茶屋だったそうで、一歩なかにはいるとなまめかしい雰囲気が残っているその建物は文化財として登録されているそうです。

文化財として登録されるには、築後50年を経過し、
「国土の歴史的景観に寄与しているもの」
「造形の規範となっているもの」
「再現することが容易でないもの」
のどれかに該当しないといけませんが、魚志楼は全部を満たしているようです。

味がよくて、お値段がバカ高くなくて、なまめかしい歴史を感じさせる「魚志楼」のような店がバンクーバーにできることはまずないでしょうね。日本中からお客さんが来る人気の店なので、行かれるときは予約の電話をされるのがいいでしょう:0776-82-0141

三国町のことで書きたいことはまだまだありますが、ひとまず終わりにします。三国のみなさま有難うございました。

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 08:36 | comments(4) | trackbacks(0) |
ホロビッツ・クライバーン の愛器

六日にまた「西バンクーバーの宝石箱」へ行き、ピアノの写真を撮ってきました。


ピアノの下に色々なサインがあるのはホロビッツの愛器。主なきあとの名器が世界中のピアニストの憧れの的になっていると分かります。1924年製と刻印されていました。傷だらけの外観は省略です。


クライバーンのサインがはっきり見えます。これは製造年度がありません。このピアノが三台の中ではいちばん良い音を出していました。



譜面台にニューヨークの高層ビルが刻まれているのはガーシュイン生誕百年を記念して作られたピアノ。紫がかったピアノの色はmidnight blue。真珠貝でつくった星が400個埋め込まれ、紫色の譜も書き込まれた幻想的なピアノです。




写真をとるだけというわけにもいかないので15ドル払ってコンサートも聴きました。子供達15人ほどの演奏会というので、やたらテンポの早い演奏を聴かされるのかと気が進まなかったのですが、三台のピアノを上手に使った演奏会で楽しみました。メンデルスゾーンのアンダンテ・アンド・ロンドカプリチオーソを弾いた9歳のTami Linが目配りがよく有望株とみましたが、さて十年後どうなっているか。写真前列右から三番目です。

ジュリアードでも教えているというSasha Starcevichのハンガリー狂詩曲#12も堪能し、前夜に引き続き充実したゆうべとなりましたが、この日はもうひとつ良いことがあり、これは明日書きます。

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 17:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
空間考・Kay Meek Centre
北バンクーバーにはセンテニアルという劇場があり、バンクーバー交響楽団、パブロ、ナイロンズなどメジャープレイヤーがやってきますが、お隣の西バンク-バーには本格的なホールがありません。と思っていたのですが、今から数時間前、五日の夕方、立派なホールを見つけました。http://www.centennialtheatre.com/

三台のピアノを比べるコンサートがあるから行きませんかと種村さんに誘われて行った先がKay Meek Centre。コミュニティーセンターだろうと思っていたら出来たばかりの、というか、まだ一部工事中、専用のピアノも買っていない芸術劇場でした。

西バンク-バーも山の中腹にあり傾斜地。ケイ・ミーク・センターはその傾斜をうまく使った構造になっていて、入り口からロビーホールに入り、そこから階段を下がって演奏会場にはいるようになっています。ロビーから階段をあがって会場へ入るより下がっていくほうが招かれている感じがします。

全体が階段状になっているから、19列、500席のどこからでも舞台がよく見え、そしてどの席に座っても特等席の感じがする設計になっています。

http://www.kaymeekcentre.com/

ホロビッツが世界中運び歩いたピアノ、クライバーンが所有していたピアノ、ガーシュイン生誕百年を記念して作られた装飾の多いピアノをBC大学の音楽教授をしていたRobert Silvermanが弾き比べるという趣向でしたが、うーん、演奏といい聴衆といい実に質の高い演奏会でした。

http://www.robert-silverman.com/

演奏が終わると十数人の観客が舞台のうえに上がり、演奏者と談笑したりピアノを弾いたりして、これまた良い雰囲気。わたしも三台のピアノに触って音を比べてみました。ホロビッツやクライバーンが触った鍵盤に触る機会がくるなどとは、朝おきたときは思いもしませんでした。カメラを持っていかなかったのが残念。

音響も良い、見た目もいい空間に仕上がったKay Meek Centreは「西バンクーバーの宝石」として人気の場所になるでしょう。そして、いつの日にかここへギル・シャハム&江口玲がやってくる。万歳。

http://www.akiraeguchi.com/index-j.html
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 17:45 | comments(2) | trackbacks(0) |
師弟
十月二十六日、種村邸でお客さん二十名の小演奏会が開かれ、長井明(バイオリン)長井せり(ビオラ)野山真希(ピアノ)の三人がモーツアルト、ショパン、エルガー、フランクなどの作品をトリオ、デユオ、ソロで演奏しました。

前日スタンディング・オベーションだったフランクのソナタ、この日は終楽章だけでしたが、これが前日より数段良く、そして長井夫妻のデユオはいつも演奏しているだけあってさらにぴたりと息があって盛大な拍手でした。

演奏会が終わって長井夫妻とお客さんがダイニング・テーブルのまわりに集まり飲んだり食べたりしたのですが、野山さんは留学時代の教え子に三年ぶりのレッスンを始めました。ふたりの年はほぼ同じですが、おもいがけなくレッスンを受けた生徒さんは幼子のような顔になり嬉しそうでした。師弟というのはこうありたい。
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 15:09 | comments(2) | trackbacks(0) |
野山真希コンサート ・3
雨の音、車の音、扇風機の音がする空間は演奏の場として望ましいものではありませんが、どういう状況であってもそのときしか存在しない空間に弾き手と聴き手が共にいたことに大きな意義を感じます。

手間をかけて調整し、雑音を取り除いた完成度の高い演奏をCDで繰り返し聴くことができまが、何度でも聴くことができることに索漠たる感じをもつことがあります。夾雑物、雑音があって弾き手、聴き手が多少もやもやした感を抱いたとしても、その時だけ、その空間だけに存在して消えていった音楽。そういう一回だけの音楽、時間、空間の中に身をおいていたということがもう既に懐かしく、せつなく思い出されます。

演奏会に関するアンケートをあとで見せてもらいましたが、雨や扇風機の音のことを書いたひとはわずかで、多くのひとが感動、最高、エクサレントという言葉を使っていました。演奏後のレセプションで、バンクーバーにいてこんなに水準の高いコンサートは初めてですとおっしゃった方がいました。どこのどなたか知らないひとでしたが、もっと詳しく訊けばよかったなあ。
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 03:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
野山真希コンサート ・2
さきほど コンサートが終わりました。読んでも面白くないでしょうが、以下は昨日書いたことのフォローです。

「長井さんの人気にも助けられてチケット完売。裏方としては第一関門突破です」  ホントにお客さんが来てくれたかというと、飛び込みの人もいて満席となりめでたしめでたし。というほど簡単でないところに生きてる面白さ、切なさがあります。

「ピアノは高音部分にやや問題があるけれど・・・調律でき、第二関門突破となるでしょう」と書きました。たしかに調律で良くなったらしいのですが、それでも高音が変だと思ったひとが何人かいたようです。

昨日会場に運び込まれたピアノは埃(ほこり)をかぶっていて、種村夫妻が拭いていたのが思い出されます。普段の手入れがいまひとつのほか、季節の変わり目で絃がおかしくなっていたのかもしれません。

「いまにも落ちてきそうな暗い空を吹き飛ばす演奏会になる予感」 ピアノ独奏を見計らったように激しく降り出した雨の音が教会の中に響きわたりました。おまけにいつの間にか天井に付いている大きな扇風機が二機ぶんぶん音をたてて回っていました。スイッチをいれた犯人は不明です。

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 20:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
野山真希コンサート
今夕七時から野山真希さんのコンサートが開かれます。前半がピアノ独奏、後半はバンクーバー交響楽団の名誉コンサートマスター・長井明さんと共演。

留学を終えた年の秋から三年連続となるバンクーバーでのコンサートを準備していて、野山さんのファンが増えているのが分かります。昨年の入りは八割でしたが、今回は長井さんの人気にも助けられてチケット完売。裏方としては第一関門突破です。

昨年は演奏開始直後ピアノに異変が生じ、いてもたってもいられない演奏会になりましたが、昨日会場で練習してもらったピアノは高音部分にやや問題があるけれど調律できる、昨年より断然よい音ですと野山さん。あと三時間後にピアノの調律が行われ、第二関門突破となるでしょう。

いまにも落ちてきそうな暗い空を吹き飛ばす演奏会になる予感♪
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野山真希・長井明

10月23日夜11時近くに書いています。23日(日本時間24日)ピアニスト野山真希さんが日本から来ました。

野山さんは飛行機のなかで2時間しか眠れなかったのでホテルで20分仮眠をとってから種村さんという方のお宅に移り、長井明さん(バンクーバー交響楽団コンサートマスター)と練習しました。

二人は半年前から長井さんの日本演奏の合間を縫って東京で何度かあわせているので、今回は軽い練習だろうと思っていたらそうではなく、四時間かけて丁寧にさらっていました。

ふたりの練習が終わったあと、野山さんはそのままソロの練習にはいりました。そのあいだ種村さんはピアノの下にもぐりこんで、どんな名手のCDよりここで聴く音が一番だと感じ入っていました。

夕食のあと野山さんを残して長井さんも私も帰りました。これを書いている今も練習しているはず。長井さんは家に帰ってから別なコンサートで弾く曲を夜中まで練習すると云っていました。名手といわれるひとほど練習が好きだというのはどの世界でも同じようです。

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Rachel Naomi Kudo・5
諌山隆美さんのレポを楽しみました。予想もよく当たっていました。

ショパコン2005 第1位になった Pan Rafal Blechacz (ラファウ・ブレハッチ ポーランド)は二年前(18歳)の浜松国際音楽コンクールの書類審査で不合格だったそうです。
 
質問:ブレハッチのことを日本の悪童たちがなんと呼んでいるか。

答え:ハッチ。テレビ漫画の主人公にいましたか?

質問:第6位になった Ms Ka Ling Colleen Lee (カ・リン・コリーン・リー 香港)のことを日本の悪童たちがなんと呼んでいるか。

答え:カリンコリン。響きは良いし、可愛らしい感じだから許しましょう。

工藤奈帆美さんは入賞できませんでしたが、十八歳だから、お兄さん、お姉さんに譲ってねということではないでしょうか。初日の三人の中ではカリンコリンさんに次ぐ出来だったから、七位だったのかもしれません。


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取り急ぎ:Rachel Naomi Kudo・4
ショパンコンクールの結果および現地レポは下記のサイトで見ることができます。またあとで書き込みます。ご紹介した諌山レポの抜粋をさらに短く直しました。

http://www.piano.or.jp/index.html

 


発表は夜10時前にはならないというコメントがあったのみ。
前回の本選は6人が疲れた演奏だった印象があったが、今回は12名がそれぞれに素晴らしい演奏で、聴き応えは十分だった。
本選進出の12人の演奏を、ここで急いで振り返ってみたいと思う。本選の協奏曲だけではなく、すべての演奏を総合的に判断しようと思う。


●まず、ダントツなのが1名。
・5 ブレハッチ(ポーランド)
 →異論は考えられない素晴らしさだった。

●次にダントツなのも1名。
・31 イム・ドンヒョク(韓国)
 →様々な意見があったが、筆者はここに位置するだろうと評価した。

●その次は2名。
・46 大崎結真(日本)
・55 関本昌平(日本)
 →次は日本の2名。大崎が一歩リードか。

以上が最高ランクで、評価の順に多少の異論があるかも知れないが、上位入賞は疑いのないところ。

さて、6位入賞まであと2人だとすると、誰が優れているだろうか?
ここからは評価が大いに分かれるところだろう。
わずかの差だと思われるが、次の2人を評価しようと思う。
・32 イム・ドンミン(韓国)
・78 ヤロシンスキ(ロシア)
 →やはりイム・ドンミンが一歩リードかと思う。


続続
●第1位
5. Pan Rafal Blechacz (ラファウ・ブレハッチ ポーランド)
●第2位
 なし
●第3位
31. Mr Dong Hyek Lim (イム・ドンヒョク 韓国)
32. Mr Dong Min Lim (イム・ドンミン 韓国)
●第4位
55. Mr Shohei Sekimoto (関本昌平 日本)
75. Mr Takashi Yamamoto (山本貴志 日本)
●第5位
 なし
●第6位
29. Ms Ka Ling Colleen Lee (カ・リン・コリーン・リー 香港)


○ポロネーズ賞
5. Pan Rafal Blechacz (ラファウ・ブレハッチ ポーランド)

○マズルカ賞
5. Pan Rafal Blechacz (ラファウ・ブレハッチ ポーランド)

○協奏曲賞
5. Pan Rafal Blechacz (ラファウ・ブレハッチ ポーランド)
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Rachel Naomi Kudo・3
昨日につづいて諌山隆美レポの抜粋です。六人の演奏が終わった段階でトップはゥ疋鵝Ε劵腑、工藤さんは五番目という感じが伝わってきました。

Osaki,Yuma(日本)大崎結真 1981年9月5日生 ヤマハ使用

ノリや雰囲気で何となく進むことはほとんどなく、一つ一つを確実な方法で進もうとする。技巧の高さと安定度は、12人中の最高峰を誇っていることを再認識した。

Lim,Dong Hyek(韓国) イム・ドンヒョク 1984年7月25日生 スタインウェイ使用

感覚的なだけではなく構成力もかなりしっかりしていた。中間部以降はぐっと集中力を増し、会場約1000人を吸い込むように惹きつけ、いきなり調子を上げてきた。予想以上の演奏に、驚嘆。

Sekimoto,Shohei(日本)関本昌平 1985年4月10日生 カワイ使用
ドンヒョクは一気に遠くまで飛んでいくが、関本は丹念に彫りの深い表情を交えて幅広く聴かせる。すべての音符を丁寧に扱い、最も作品に近い音の姿が具体的に再現され、流れのなめらかさが印象に残る。

●本選 第3日−10月20日(木) 
Son,Yeol Eum(韓国) ソン・ヨルム 1986年5月2日生 スタインウェイ使用

持続力より瞬発的なクレッシェンドで表現していく。
細かな作りの音楽に限界をも感じてしまう。自分の特質に合ったものを見つけられれば、大きな能力を発揮する可能性も秘めているピアニストだろう。

Nezu,Rieko (日本) 根津理恵子 1980年12月23日生 カワイ使用

音楽の流れにムラが出来てしまうこともあり、メロディの拍が崩れそうに聞こえることもある。小技で聴かせていく演奏と言える。欠点をどんどん消して整えていこうとする演奏ではなく、魅力をどんどん追求していく積極型タイプ。

Yamamoto,Takashi(日本)山本貴志 1983年4月12日生 ヤマハ使用

音色の変化よりも強弱を大いに用いて積極的な音楽作りを聴かせる。身体を激しく動かすクセがあり、聴く側の集中はかなり減退してしまう。特に大きな高揚は不足なく描き、音楽感動への積極度は抜群。演奏後は場内に大歓声が響き渡る。


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Rachel Naomi Kudo・2
●諌山隆美というひとが現地ポーランドから配信しているショパンコンクール、本選レポートの抜粋です。Naomi Kudoについては全文をのせました。
●レポから推察するとリーが一番良く、工藤奈帆美は次席だったようです。

Kortus,Jacek(ポーランド)ヤツェク・コルトゥス1988年7月12日生 スタインウェイ使用

入りが遅れるところがあったり、いくつか粗いところもあり、またパッセージになるとタッチのクリアさが曇ってしまうのが惜しまれる17才でこれだけの資質を感じさせ、将来がとても楽しみなピアニストであった。


Kudo,Rachel Naomi(アメリカ)工藤奈帆美 
1987年4月7日生 ヤマハ使用

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11

小休憩を挟んで、アメリカのRachel工藤奈帆美。落ち着いたピンクのドレスでフレッシュに登場。

彼女のピアノは、勢いよく快活で健康的なのが大きな特徴。フレーズのひとつひとつをとても明快に描き、それをスムーズに繋いでいく。充実したオケにも引けを取らない音量もあるし、技巧も安定しており、大規模な音楽だがとてもわかりやすく仕上がっている。

そうした特徴はやはり第1楽章に最も強く現れて好調だったが、第3楽章では音色のクリアさがやや後退しやや粗い部分も現れ、オケにも押され気味、ちょっと疲れが見えてきたのが惜しまれる。

とても安定したピアノで、不足を感じさせない健康的なピアノで、万人に好まれるスタイルの演奏だ。ここに陰影を増してくると、表現にぐっと幅が出てくるだろう。

18才の若さとしてはとても立派な協奏曲の演奏だった。

Lee,Ka Ling Colleen(香港) カー・リン・コーリン・リー 
1980年10月11日生 スタインウェイ使用

音楽への敏感な感性とオリジナリティを既に見出したピアニストであるが、それが同時に限界をも垣間見せることになって聞こえてしまった。しかし魅力は抜群のピアニスト。拍手は盛大。
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Rachel Naomi Kudo
五年ごとに開かれるショパン・コンクールが進行中です。予備予選、第一次予選、第二次予選を通過し本選に残ったのは十二人。このうち四人が日本人、三人が韓国人、計七人と二国で過半数。これに加えてRachel Naomi Kudoという日系アメリカ人がいます。

バンクーバー・アカデミー・オブ・ミュージックの李金星さんにたまたま会ったので、この話をしたところNaomi Kudoは李さんが何度か教えた生徒だと嬉しそうでした。

ググってみると日本名は工藤奈帆美、まだ十七か八歳は本選に残った最年少かそれに近い若さです。さらに調べると、お父さんが福井大学の経済学教授で我が家に二度泊まったピアニスト・高木裕美さんご夫妻の同僚です。

会ったことがなく、これからも会うことがないかも知れませんが、かすかながら縁のある人が本選にいるというのでコンクールへの興味が一段と増しました。http://www.maxell.co.jp/chopin/
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松原直子&ビッキー・ハズバンド
22日にかきこんでいます。ジェイ・モートンの続きを書くつもりでしたが、ちょっと横道にそれます。

20日は6月27日の日記に書いた版画家・松原直子さんの展覧会の初日レセプションに出席するためバンクーバー島にあるビクトリア市に行ってきました。ビクトリアにいくのは三年ぶりでしょうか。

バンクーバー側のフェリー乗り場に新しい食べ物屋、お土産屋ができていました。以前からここに楽しい空間をつくればフェリーを待っている間が苦にならないのにと思っていたのですがついに実現。箱崎にある東京シティー・エヤ・ターミナルができた当初の華やかさを失ない、わびしい空間になっているのと比べて好対照です。

今回の展覧会は樹木に関する作品だけを集めて展示し、売り上げ金をバンクーバー島の原生林保護のために活動しているシエラ・クラブに寄付するのだそうです。瀟洒な住宅街のなかに溶け込んでいる居心地の良い小ぶりのギャラリーに納まった作品はいずれも魅力あふれる作品で、初日なのに三割ちかくが売約済になっていました。

シエラ・クラブを代表して、この世界では有名なビッキー・ハズバンド、ついで松原さんがスピーチをしましたが、ふたりとも原生林保護への情熱、危機感に満ちていて、理路整然、迫力あるスピーチでした。日本の政治家、外交官も松原さんのように話せたらと良いのになあ。

松原さんが泊まっているビッキーの別荘に招かれ、急遽レセプションのあと友人ふたりとともに押しかけました。海辺に建てられた大きな家で、松原さんの家とはスタイルがちがいますが、やはり見事な美的空間になっていて、うーん、ふたりとも凄いものです。

ワインを飲みながら、シエラクラブやふたりの活動の話を聞き、ますます二人の凄さに感歎しました。ふたりから許可をもらいましたので写真を載せます。

松原直子作品展

.咼トリア展
期間:9月20日から30日まで
場所:Winchester Galleries
   2260 Oak Bay Avenue
   Victoria, BC V8R 1G7
電話:250−592-2777

▲轡▲肇訶
期間:9月23日から2週間
場所:Azuma Gallery
   530 1st Ave. S.
   Seattle, Wa. 98104
電話: 206-622-5599


http://www.sierraclub.ca/bc/

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New Breed ・VOC
昨日書いたNew Breed のホームペイジは次が良いというメールをもらいました。横田東洋くんのカッコイイ写真がたくさん載っています。バンクーバー公演は9月13日TBS系の「バリバリバリュー」という番組で見られるとも書いてあります。

http://www.newbreed.ca/



我が家から車で南へ下がると三分で「エッジモント村」なる商店街。商店を広場の中に囲い込むショッピング・モールとは違って、車で通り抜けられる昔ながらの商店街ですが、ダウンタウンのそれとは違い、往来する車の数は少なく、しかもゆっくり走るので、いつも歩行者天国のようです。

エッジモント村の路上で七月初旬から金曜日の夕方7時から9時まで行われてきた音楽会の最終日。老いも若きも、犬も猫も60人ほどのVOC Soul Gospel Choir を囲んで、それぞれのスタイルで楽しんでいます。

合唱団のすぐ前で聞いていた子供がリーダーに「もっと静かに歌って」と注文をつけていましたが、New Breed を聴いたばかりのわが耳には子守唄。スタンドバイミー、アクエリアスなどのナツメロもあって大満足。健康な精神状態を保つには青春時代になじんだ音楽を聴くのが良いという説がありますが、うん十年後、横田東洋くん世代を癒すのはガンガン・ロックでしょうね。アクエリアスだって三十年前はうるさいと思ったものです。







幕間(まくあい)になったので演奏者のひとりにVOCとは何の略かと訊いたところ自分も知らないといいます。別なひとに訊くとVancouver Outreach Committee(困ってるひとに手を差し伸べる団体)との答え、先ほどの人にも教えました。http://www.ansun.net/voc.htm
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New Breed


11日夜八時半、知人から自分の息子が音楽会をやる、毎日テレビが取材にくるから是非観て欲しいといわれて出かけた先はダウンタウンのパブ。外観も中も良い雰囲気です。

壁に貼ってあるポスターを見て、New Breedという東京で活動しているグループだと分かりました。グループはまだ準備中。スピーカーから流れている音楽はヘビメタ。すさまじい音量でマッサージ器に座っているよりもすごい振動を感じます。そんな中で談笑している若者達には特殊能力があるのでしょう。

待つことしばし、New Breedの四人が黒の衣装に身を固めて演奏を開始すると、観客の半分が舞台近くに集まって踊りだしました。演奏者が飛び回り、観客が跳ね上がる、その掛け合いは実に面白いものです。面白いけれど、なにせ凄い音量。身の危険を感じ、一曲聞いて出ました。時計をみると、待ち時間が2時間半、演奏を聞いたのが15分。早々に退散しましたが、リズム、メロディー、楽器、声、踊りとも大いに楽しみました。一度は体験されることをお勧めします。

帰宅してググってみたところ世界最大音響ロックとありました。難聴になったんじゃないだろうか。ちなみにNew Breedの横田東洋君とゆうきんママたちは二十年前に会っているそうです。


http://www.gekirock.com/






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野外音楽会
7日、夕刻七時からスタンレーパークでバンクーバー交響楽団の無料音楽会。開演一時間半前にして会場は七分の入り。北岸の山を背景にした舞台に早々と長井明さん、兵藤せりさんが現れて準備。風爽やか。秋近し。





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版画家・松原直子・ビクトリア展覧会
(8/1 記)

ニューヨークに住んでいる松原さんのご子息・ヨシキさんが遊びに来ていました。医学を学んでおり、成績もトップクラスらしいのですが、思うところがあって医者になるのをやめて、建築家を目指す決心をしたばかりだと言いました。建築は総合芸術だから、良い選択ですねと言うと嬉しそうな顔をしました。私も建築の勉強をしようと思っていたのですが、高校二年の初夏に左肺浸潤と診断されて四ヶ月入院。病室に毎日届けられる●日新聞の▲声▼語を読んでいるうちに、文科系に進まないといけないと思い込んでしまった自分はなんと愚かであったか。

アトリエで松原さんが、九月にBC州ビクトリア市で開かれる展覧会のポスターの原画を見せてくれました。私はこちらのほうが好きなんだけれどと色刷りの作品を指し、ヨシキは違うのが良いというのよと言います。ヨシキさんが作ったポスターの原画は黒。私もこちらが良いというとヨシキさんはまた嬉しそうな顔をしました。イーメールで送ってもらったポスターをこのブログにとりこめないので机の前に張ったプリントの写真をのせます。実物をご覧になりたい方にはメールでお送りしますのでご連絡ください:onomar@hotmail.com

ヨシキさんがいないとき、松井さんが彼の年を教えてくれたのですが、直子さんがそうであるように、ヨシキさんも実年齢より十歳ほど若く見えます。私がそう言ったと松井さんがヨシキさんに言うとまたまた嬉しそうな顔をしました。成熟していないということかもねとからかうと、少しムッとしました。いまだに親から援助してもらっている所をつかれたと思ったのでしょうね。別れ際に、これから建築家としてのあなたを見守っていきますよと言うとまた嬉しそうな顔をしました。



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映画・宇宙戦争
今年の夏休み映画のひとつ「The War of The Worlds・宇宙戦争」を見てきました。入場料9ドル(800円弱)、ナッチョ(メキシコのおやつ)6ドル(500円強)。

この話は昔から「宇宙戦争」と訳されていますが「The War of The Worlds=(二つの)世界の戦争」というH.G. Wellsの原作自体は火星人と地球人が地球上で戦うというお話で、複雑なプロットや哲学があるわけではなく、50年前に作られた映画も特殊効果に対するオスカー賞を取りましたが、SF映画の名作というほどのものではありません。「2001年・宇宙の旅」「華氏451度」「火星年代記」のほうがはるかに上です。

今回も物語に多少の工夫を凝らしていますが、基本的には破壊シーン、危機シーンが続く中に家族愛をまぶした、ごくありふれた映画に終わっています。CGを使って描いた巨大機械も「スターウオーズ」や「スティームボーイ」で凄いのを見ているので驚けません。

ただし、突如あらわれた宇宙人から一方的にやられる恐怖をDakota Fanningという11歳の子供がうまく演じています。やたら叫ぶので閉口はしましたが、それでもアメリカ軍に殺された数万人のイラクの民間人、子供たちはかくならんと思いました。

積極的にお勧めできる映画ではありません。日本にサービスするスピルバーグらしく、冒頭にテレビ朝日やミズノが出てくるので、両社で働いているひとは必見です(笑)。


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バンクーバー島の悪しき変容/版画家・松原直子展
留学を終えてから幾度となく夢に見たバンクーバーを再び訪れたのは11年後の1985年。バンクーバー駐在の発令を受けた時の喜びは今でも覚えています。相当舞い上がったらしく、あんな小さな支店の何が良いんだと陰口をたたかれていたことをあとで知りました。銀座を歩いていてばったり出会った会社の会長さんから、君、ニューヨークに行かないとダメだよと云われたりもしました。ニューヨーク駐在、ロンドン駐在こそが主流、出世コースであることを知らなかったわけではありませんが、もし人生をやり直せるとしてもバンクーバーを選ぶでしょう。

バンクーバー空港に着いたら地面にひざまづいて口付けをしようかなどと考えたりしていると、やがて眼下に懐かしいバンクーバー島が見えてきて、目を皿のようにして眺めると、おや、伐採で禿山が目立ち、残っている森にも精気がありません。バンクーバーに着くと、木の香が満ちていた1972年とは違う大気です。

1974年から1985年のあいだに何があったのか。1972年には環境破壊が話題になっていて、改善されているに違いないと思ったのに逆。それから更に20年の2005年、事態は悪化しています。先月、横浜からきた友人は空港に着くなり空気がうまいと言いましたが。

話題は変わり、3月30日の日記で紹介したトロント在住の版画家・松原直子さんの作品展が、ここBC州の州都ビクトリアとイチローで名があがったシアトルで開かれます。

.咼トリア展
期間:9月20日から30日まで
場所:Winchester Galleries
   2260 Oak Bay Avenue
   Victoria, BC V8R 1G7
電話:250−592-2777

▲轡▲肇訶
期間:9月23日から2週間
場所:Azuma Gallery
   530 1st Ave. S.
   Seattle, Wa. 98104
電話: 206-622-5599

ビクトリアの展覧会には樹木の作品をだして、売り上げ金はバンクーバー島の原生林保護のために寄付するそうです。Vicky Husbandという松原さんの友人が二十数年来、シエラクラブという環境保護の団体で活動してきたことに共鳴しての寄付だそうです。

Vicky Husbandさんに電話をし、1985年の印象を話したところ、バンクーバー島は70%が原生林に覆われていたが、いま残っている原生林は15%以下、伐採したあとに植林しているが追いつかないという衝撃的な話をしてくれました。過去三十年、悪化の一途を辿り、いったん改善したが、自由党が政権をとった四年前から再び悪化しているそうです。ニンゲンという動物はリスと同じで、食いつくすまでモノの道理が分からないのでしょうね。

次のサイトの上にあるAbout UsからEx.Commに入るとVicky Husbandさんの写真があります。サイトの左側、上から六番目にあるMapping Programをクリックするとバンクーバー島が出てきます。島をクリックすると失われた原生林が現れます。
http://www.sierraclub.ca/bc/

松原直子さんは22日までVicky Husbandさん宅に泊まる予定だそうで、初日から三日間のあいだに行けば会場でおふたりに会えることでしょう。300ドル位で買える作品もあるそうです。
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Evelyn Glennie
忘れないうちにエヴリン・グリニーのことを書いておきます。

グリニーは年間100回以上も演奏会に出演する売れっ子。5月21日(土)バンクーバー・シンフォニーとの共演を聴いてきました。グリニーの本領は様々な打楽器を並べて演奏することらしいのですが、当夜は木琴と鉄琴のふたつ、いずれも共鳴管付き。

ブライト・シェンという上海うまれの作曲家(50歳)が十代のときに書いたラブソングを元にして彼女のために作曲した「マリンバとオーケストラのための緋色」(Colors of Crimson for Marimba and Orchestra)はマリンバのスピードにオケ、とくに管楽器がついていけずバランバラン。わざとずらしてあるとしたらその目論見は失敗しています。
幕間になったので一列前の席にいたビオラ奏者の兵藤せりさんにそれを言うと「曲が良くない」と切り捨てました。兵藤さんは数年前にもグリニーを聴いているそうです。

グリニーはその曲だけで終わることのリスクを知っていたかのように、アンコールは鉄琴でビバルディの「ピッコロフルートの為の協奏曲」を全曲(!)演じました。その第二楽章の綺麗なこと、繊細なことといったら、ビバルディとは、ビブラフォンとはかくも美しいのかと感じ入りました。

最終曲はオケだけでエルガーのシンフォニー#1。長くて退屈で、楽器が総出演でうるさいことこの上なし。エルガーちゃん、大きな音を出せば名曲になると感違いしたらしい。それを聴きながら兵藤さんは寝ていたというのだから音楽家の神経は太い。私はエルガーとベートーベンの違いはどこからくるのかをまじめに考えていました。シェンのときも、ここはバルトークの剽窃、ここは武満、ここはシェーンベルクか、完成度が低い、手をいれるべし、と叱咤激励しながら聴いて疲れた。つまらない親切心(?)を出さず寝るのが利口です。

グリニーにCDとプログラムにサインをしてもらいました。ミドルネームも書くらしく長くて複雑なサイン、そして丁寧に書くので時間がかかります。たぶんアキコ・マイヤーズの三倍はかかっています。そのうえ、CDには日付まで書いてくれました。他の音楽家のサインを改めて見ると、サラ・チャンのサインも丁寧です。聴きてとの一期一会を大事にしているからであろうと解釈。

次のヒトの為のサインの終わるのを待ってグリニーに「さっきのビバルディーの録音はありますか」と訊くと「まだありません」。この話を兵藤さんたちにしたところ、グリニーは聴力障害があって他人の話を唇の動きで理解するとのこと。こちらの口の動きを見ていたことに気づかなかったのは注意散漫。障害があるから、まるで触れると形が崩れてしまうというように注意深く、愛情深く演じる神経が備わるのか、そもそもそういう風に生まれついた人なのか、まあどちらでもよいことではあります。

http://www.evelyn.co.uk/

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高木裕美・三岸節子・Ferriの啓示
五月一日日曜日晴れ。久しぶりにゴルフの練習にいきました。

我クラブ、今年はカナディアン・オープンという準メジャーの舞台になるとあって去年から練習場を改修していたのが出来上がっていました。芝の具合もよいので気分がよく、いつもより丁寧にボールを打つとまっすぐ力強く飛んでいきます。調子がよいのは芝よりも表題の三人の女性から啓示のようなものを感じたことにあります。

コスタリカでピアニスト・高木裕美の練習風景をみていて、なるほどプロとはこういう風に練習するものなのか、自分も応用してみようと思ったのが第一。画家・三岸節子展で何歳になっても工夫、努力を続ける姿勢を学んだのが第二。女医・Ferriがピアニスト・江口玲の掲示板に書きこんだ執刀風景から集中する姿勢を感じたことが第三。

集中、考える、方向、正確、丁寧、意思などという言葉を頭に浮かべながら練習しましたが、二時間ほどたってみると一番大事なのはスタミナと気づきました。何事も思うだけでできるものではありません。

帰り際にレンギョウの枝を失敬しようとロッカールームのそばにある植え込みをみたのですが、花が終わっているのでどれがレンギョウだか良く分からない。しばらく周りをうろうろして、これかなと当たりをつけて植え込みに入り、二本手折って出るとスタッフのおばさまが立っていました。ガサガサ音をたてながら出てくるのをみて「痛いでしょう」と優しい言葉の裏に感じる本音、「そこで何をしてるのよ」。「これを育てようと思って」と枝を見せて無罪放免でしたが、危険物を仕掛けてるんじゃないかと疑っていたのかも。
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三岸節子生誕百年展
五月一日午後、三岸節子生誕百年展の記憶を辿っています。

目の前にある絵から作者の存在感が伝わってきます。音楽もCDを聴くのと実際の演奏を聴くのとでは違うし、他の絵だって実物に対面すると違った感興が生じるので三岸に限ったことではないのですが、しかし彼女の絵からは格別な力が伝わってきます。

形を描き込んだもの、色でまとめたもの、それぞれの作品に違った意思、意図があります。単純とみえる作品のなかから画家の理性、感性が浮かび上がってきて、マンネリズムが全くありません。音楽でも良い演奏、つまらない演奏に分かれるのはそんなところではないでしょうか。技術力を研いたその上で、色を追いかけてみる、形をくっきり描いてみる、めりはりをつけて生きてみる、そういうところから良い演奏が生まれてくる、とでもいいましょうか。

印象深い作品を紹介します。

二十歳の作品「自画像」には苦難に陥っている三岸の表情が描かれていて見ていて痛ましいのですが、一方はるかかなたの未来を見つめている目にどきりとします。冷静とでもいましょうかニンゲン特有の怖い目です。自画像は二枚でしたが、他にもあるのなら見たいものです。

三十六歳の「室内」からは三岸が経済的に余裕ができた様子がうかがえます。色は暖かく、服、テーブルかけ、椅子、壁掛けなどモノがたくさんあって、ひとつひとつに豊かな模様があります。1941年、日本は中国と戦っている最中でやがて真珠湾攻撃になりますが、まだ国の経済力もあった頃です。

「カーニュの家」。六十三歳フランスへ渡った年にみた異国の家、道路の質感の印象を暖色で素直にまとめていて、三十六歳の作品よりみずみずしい感じがします。

一枚だけあげると言われたら七十五歳の「椿」。青、白、茶、黒と寒色で描かれた実に美しい椿です。この絵の良さは実物でないと分かりにくいです。

最期は九十四歳の「花」。赤、白、黒で描かれた豪華な作品で、三岸の生が完璧な作品であった証(あかし)のような絵です。

東山魁夷や平山郁夫のように整った絵も好きでプリントを持っていますが、三岸節子は違った次元にあり、プリントや絵葉書を買っても仕方ないと思い、展覧会用につくられた画集を買うだけにしました。


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三岸節子展を見る
四月三十日かきこみ。

クライエントの国際会議が終わった翌日、二十一日の朝、人形町のタキガミ理容店に出かけました。理髪師は私を覚えていませんでしたが、加湿器から出る蒸気のかすかな音と落語のテープを聞きながら、掘るほうにして顔をあたってもらう心地よさは半年前と同じ。マッサージ機を首、肩、腰とあててくれますが、こんなに時間をかけるところは他にありません。体がぽかぽかし、頭がすっきりします。

理髪代は3800円で安いとはいえませんが、丁寧な仕事を試したいというかたにはお勧めします。顔の毛穴を洗浄するコースとかご婦人用のコースもあります。地下鉄の人形町ないし水天宮から歩いて五分。人形町2-2-12 電話366-4493-6095。

散髪を終え半年前とおなじように歩きだし、今回は日本橋三越へ向かいました。お目当ては三岸節子(みぎしせつこ)生誕百年記念展覧会。彼女の作品をトロントで一枚だけみたことがありますが、彼女のひととなりなどは全く知らずにおりました。

63歳になってからフランスへ移り住んだというだけで並大抵のひとではないと分かりますが、それからの30年強の間もまるで若木の枝が曲がったり反ったりしながら伸びていくように心境の変化を続けながら作家活動を続けています。つねに順調であったというのではなく、苦悩や絶望などを経ていますが、そんな三岸節子の生を作品を通して垣間見るとニンゲンも悪くないものだと感じます。

たとい芸術家でない、ごく平凡に暮らしているひとでも彼女の作品から生き方のヒントがえられるような気がします。展覧会は5月1日(日)まで開催しています。ああ、もう日本時間では今日が最後ですね。


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