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過去⇔現在を行ったり来たり・ときどき未来へも@バンクーバー 

音楽家の緊張感・江口玲さんの回答
ピアニスト・江口玲さんに五日の日記を送ったところ返事を頂きました。素人考えのもやもやが解消されて気分が良いのは勿論ですが、巨匠から回答を頂き嬉しい限りです。以下に抜粋を載せます:

ギルのバッハはすばらしいです。独特の解釈と持ち前の正確さで非常に説得力があります。もちろん好みもあるでしょうけど。彼は暇さえあれば練習していますよ。

エリザベスタウンはこのバッハを初めて演奏するとかで、結構緊張していたみたいです。だからでしょうかね?突然駅で練習し始めたのは。

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ピアニスト・江口玲をめぐる共時性
昨日の夕方、興に乗って江口玲&ギルシャハムの演奏旅行先や演奏会場をGoogleで調べていました。

カナダの首都オタワとミシガン州のデトロイトは何度か行ったことがあるのでふたりが町に着いたらこんな景色を見るだろうと想像します。行ったことのないペンシルバニヤ州のエリザベスタウンとニューメキシコ州のサンタ・フェの写真を見ながら、実際の景色は違うだろうななどと楽しめます。

ネット旅行を楽しみながら聞流していたFMラジオから突如「ただ今の演奏は〇〇とアキラエグチでした」という声が聞こえました。急いで記憶をたどったのですが、バイオリン曲のフィナーレがよみがえっただけで、曲名も、そしてバイオリニストがギル・シャハムであったかどうかも分からず仕舞いでした。曲を聞流していて、演奏者の名前を聞いてはっとすることはよくあり、シャハムもそのひとりですから多分違うバイオリニストだったのでしょう。今年になってはっとした名前は、江口玲、ジーンラモン、キッチナーウオータールー楽団、安楽真理子、内田光子。

時計をみるとオタワ時間で夜八時二十八分。ちょうど江口&シャハムの演奏が始まった頃です。ひとりは演奏のさなか、ひとりはマイクの前で演奏家を紹介している、ひとりは演奏旅行先を調べているという、ジンルイの歴史にとって非常に重要なことはひとつもない共時性の実例でした。

ところでGoogleのほかに浅井信雄著「アメリカ50州を読む地図」という本も見ていました。アメリカを知りたいと思っていても時間(あるいはお金・笑)がない方にはお勧めです。思っていても時間(あるいはお金・笑)がない方にはお勧めです。
http://www.sankeipro.co.jp/male/n-asai_d1.htm

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音楽家の緊張感
ピアニスト・江口玲さんの日記を愛読していますがとりわけ四月三日の日記は目が覚めるような思いで読みました。目が覚める思いはふたつありますが、そのうちひとつを書きます。江口さんのHPは木霊JUGEM版のリンクから入れます。

いま江口さんはバイオリニストのギル・シャハムと一緒に演奏旅行中で、四月二日はニューヨークから電車でドイツ系白人が多い、人口一万人のエリザベスタウンという町に移動しています。地図でみると電車はニューヨークからいったん南下して、フィラデルフィアに行き、そこから西へ進むようです。

http://www.city-data.com/city/Elizabethtown-Pennsylvania.html

電車は中間地のフィラデルフィアで一時間停まったそうです。停車がスケジュール通りだったのかどうかは分かりませんが、アメリカでもイギリスでも長距離列車が遅れるのは珍しくありません。発車したと思ったら駅を出きらないうちに停まり、そのまま一時間ちかく動かなかったという経験があります。

フィラデルフィア駅で食事をしたあとギル・シャハムはバイオリンをとりだしてバッハを練習したそうです。現存バイオリニスト達の最高峰にたつシャハムがなぜ駅舎で練習したのか。エリザベスタウンに着いてから練習するのではウオームアップが間に合わなかったのだろうか、シャハムでも緊張するのであろうかと考えたのは高木裕美さんゆえのこと。

コスタリカ、三月五日(土)。玉置さんという方が高木夫妻をカンツリークラブに招待し、私もお相伴にあずかりました。プール際でのんびり過ごしたあと玉置邸で昼食。

玉置夫妻、水沢氏と私の四人はビールやワインですっかり良い気分になり、翌日のマチネーのために午後から練習するという高木さんのスケジュールを遅らせることにしました。高木さんは気をもんでいましたが、なに、少しでたらめをやるほうが良いデキになりますよと無視したものです。

四月三日、高木さんから「一週間の仕事で、あの環境、カルチャーショックやら緊張感やら・・・私にはきつすぎました」というメールが届きました。初日、マチネーとも大成功の演奏と引き換えに疲労が残ったようです。

名手であればあるほど練習をしている、悠々と演奏をしているその裏に素人が理解できない、そして生半可な演奏家が感じるそれとも違う緊張感があるに違いない。そんなことを想像させてくれた日記とメールでした。高木さん、ペースを乱して悪かったと反省しています(ウソ)。今夜オタワで演奏する江口・シャハムの演奏を無性に聴きたくなっています(ホント)。

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日本・コスタリカ国交樹立70周年記念 
3月6日、開場10時半とはずいぶん早いマチネーです。楽団員はジャケットなし、2500円のネクタイもホテル。今日は私が一階の一般席、水沢さんが貴賓室。一般席の椅子も革張りですが、背もたれが倒れるようにできていて、おまけに金属パイプでできた足載せまでついています。

ホールのドアは開けっ放し、カーテン越しに風が入ってきて、これこそマチネーの醍醐味。演奏の出来は4日より上でした。この楽団はこういう空間で演奏するのが一番かもしれませんが、日本の近代的なホールではどういう演奏になるのかも聴いてみたいものです。
秋に楽団が日本を訪れます。高木さんとの共演も予定されています。

◇≪2005年 9月6日ー12日≫
日本・コスタリカ国交樹立70周年記念 及び愛知万博公式参加
【芸術監督】 小松長生
【会場】 サントリーホール、愛知藝術劇場、福井ハーモニーホール、神戸国際劇場他
【独奏者】 小曽根真、高木裕美、小野明子、マリアネラ・ロハス

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同調感・10・版画家・松原直子さん
いつでも会える、手に入ると油断しているうちに会えない、できない、入らないで終わることがあります。

トロントにいる版画家・松原直子さんがそうでした。彼女の作品を何点もみている、まわりに彼女を知っているひとが何人もいる、私のゴルフ仲間のひとりが彼女の大学の後輩で、住んでいるところが近いから今度きたときに紹介すると言われているうちに十二年のトロント滞在が終わりました。縁がないとはそんなものです。

その松原さんがコンサートに現れたのだからオドロキです。スペイン語を習うためにコスタリカへときどき来るのだそうです。松原さんは雑誌「オーロラ」で私のことを知っていると言いました。

「犬も歩けば棒に当たる」2005年3月4日は行く先、行く先、何かに当たる妙な日でした。

◎松原直子 Naoko Matsubara (版画):
木版画家。京都出身。京都美術大学デザイン科を卒業後、ピッツバーグのカーネギー工科大学の大学院芸術科、つづいてロンドンのロイヤル・カレッジ・オヴ・アーツに留学し、ヨーロッパ・アジア諸国を回って帰国。その後、再び渡米、1972よりカナダに在住。北米、ヨーロッパ諸国で60回以上の個展・招待展。
ボストン美術館、大英博物館、スミソニアン研究所などの世界各地の有名美術館やホワイトハウスなどに作品が収蔵されている。

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同調感・9・北と南
さて3月4日に戻ります。

ピアニスト高木裕美さんは好調、ドレスリハーサルを難なくこなし、時差のハンディを感じさせません。案ずることは何もないと思うのですが、ご本人は緊張している、早く頭の中からラフマニノフを追い出したいと言います。じっとしていると頭の中にラフマニノフのピアノ協奏曲ニ番が流れだす、それもピアノだけではなくオケの音が一緒になって頭を占領するのだそうです。

八時開場、満員。ブラックタイ、イブニングの人たちもかなりいます。演奏後にレセプションがあるというので、私もダークスーツです。荷物に入れなかったことにバンクーバー空港で気が付き、何でも30ドルというお土産やで買ったネクタイをつけています。30ドル(2500円)と考えると気後れしそうです。

私はあさがたリハーサルを聴いた貴賓室の左隣のボックスに日本からきた四人、コスタリカに住んでいるヒト、トロントから来たヒトたちと一緒に案内されました。右のボックスはコスタリカの文化大臣ご一行、紹介されて握手をしました。長年にわたってコスタリカ交響楽団の育成に尽力してきたそうです。

ピアノ協奏曲が始まって数分すると大臣は椅子から立ち上がり、そのまま演奏が終わるまで立ち続けました。ボックスの最後尾にいたので、おなじく最後尾に座っていた私以外のヒトは大臣が立っていることに気がつきません。高木さんは後ろで見えにくかったからでしょうと言いましたが、見えないということはないのです。

北の国からきたピアニストと南国の楽団とが一体になった演奏に対して総立ちの拍手が長い間続きました。リハーサルも聴いているので私は安心して聴きましたが、高木さんはやはり緊張していたそうです。
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スチームボーイ・コスタリカ・万博
日記の書きこみはさらに遅れて本日は27日(日)。十数人の集まりがあって、司会者が「先日お渡しした資料の11頁を開いて下さい。そこに書いてある額の小切手をこれから集めます」というのでみると11頁が抜けている、当然小切手はない。という夢を今朝方みました。

26日(土)大友克弘監督のアニメ「スチームボーイ」を見てきました。入場料7ドル(600円)。18万枚の絵、400枚のCG(コンピュータグラフィック)カットを使った作品で、学生時代にみた手塚治虫のアニメ「千夜一夜物語」で数万人の群集がおおざっぱに描かれていたのに比べて天と地の差の緻密さです。描きこまれた建物、調度品、ニンゲン、機械などなどのすばらしさを堪能するのに一度ではムリ。DVDで繰り返しごらんになることをお薦めします。

http://steamboy.cocolog-nifty.com/

http://www.steamboy.net/intro.shtml


科学はニンゲンに幸福をもたらすのかそれとも不幸をもたらすのかというのが映画のテーマになっていますが、それで思い出したのがコスタリカ。

コスタリカの自然は実にすばらしいのですが、それを侵食していくニンゲン文明、とくに首都サンホセの建築物、交通事情があまりすばらしくない。美しいブーゲンビレアが美しくない町とマッチしない、はらわたをみせたバスややたらスピードをだす車の排気ガスの拷問にあっている。まあこういう絵はコスタリカに限らないのですが。

スチームボーイはロンドンで開かれた万博会場での冒険という設定ですが、万博といえば25日から始まったのが愛知万博。地球環境に思いを致そうということで「愛・地球博」と銘うっています。

では35年前の大阪万博のテーマを知っていますか?「人類の進歩と調和」。あのころも環境問題が叫ばれていたのですが、その後の進展はというとご存知の通り、ニンゲンが生む二酸化炭素ガスの量が増え続け、状況は悪化の一途を辿っています。

過去三十余年、平和、調和、愛、地球にやさしく、共生、協調などなどすばらしいスローガンを見たり、聞いたりしてきた結果、どうもジンルイはそういうものを本気では目指してはいないと思うようになりました。ジンルイがホントに好きなのは戦争、混乱、憎しみ、地球を壊す、自分は幸せ他人は不幸・・・。私は一切買わないので不正確かもしれませんが、プレステやコンピュータゲームの人気テーマは大概そういうものではないでしょうか。 

いや、私は愛に生きている、地球環境を守りたいといわれるあなた、今日は簡単にできる愛地球術をふたつお教えします。

ひとつ、シャワーを浴びる時に下着、靴下などを体と一緒に洗ってしまう。水、電気が節約できるだけでなく、部屋のなかで乾かせば加湿器もいらない。着たままで洗うか、踏んで洗うかはお好きなように。

ふたつ、リモコンの電池が切れたと思ってもすぐ捨てない。電池をとりだし服やカーペットでこする。とりだすのが面倒なヒトはリモコンの中に入れたままグリグリまわす。これで電池は充電される。おや、誰ですか「電池をコスっタリカ」といったのは。

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石蟹それとも私・隠れたドラマ
世間は狭いとはよく言ったもので、コスタリカでお目にかかったバイオリニスト・八木さんを知っている人が身近にいました。

コスタリカ政府は三十年前にコスタリカ交響楽団の質を上げようとして外国から演奏家を集めたことがあり、そのとき日本から派遣されたのが八木さん。二年で帰国する予定がのびて三十年になったと言えば簡単ですが、そのあいだにはさぞかしドラマティックな出来事もあったことでしょう。外人演奏家はもうひとり残っていて、それがリハーサルの時に目立ったビオリスト。アメリカ人です。

外国人演奏家たちは演奏のかたわらコスタリカ人の演奏家を育てつづけ、現在の楽団をつくりあげたそうで、まとまりが良いせいか、それとも中米の水と空気と太陽が独特の音楽性を育てたのか、いまやヨーロッパでは大変人気がある楽団なのだそうです。

三月二十日、わがやで石蟹(いしがに・stonecrab)を食べる集まりがありました。石蟹とは甲羅が石の様に硬く、爪が体重の半分を占める蟹で、目玉以外ならどこを切り取っても再生するので肉のおいしい爪だけをとって残りを海に返し、爪がはえるのを待つ漁師がいるそうです。

お値段は一杯7ドル(x85円/ドル=595円)。これを四杯食べようではないかと画策したのは四人の女性。私は蟹の肉をばらすのが嫌いで気が進みませんが、女性群の勢いは屁理屈をつけてイラクに攻めこんだジョージに負けていません。ジョージは単なる戦争犯罪人ですが、目をらんらんと輝かせながら蟹を生きたまま蒸している女性たちは悪魔。

わたし以外唯一の男性はVSO(バンクーバー交響楽団)の長井明さん。長井さんは26年の長きにわたってコンサートマスターをしていて、昨年末、名誉コンマスになった人です。どこの世界でも名誉ナントカになると第一線を退く人がおおいのですが長井さんはいまでもVSOで演奏を続けています。十月二十五日にはピアニスト・野山真希さんと共演します。野山さんは今月二十五日東京藝術大学修士課程の卒業式だそうです。
http://www.cocomaga.com/2002/hito/12/12.html

長井さんの奥さんは兵頭セリさん。札幌交響楽団、バンクーバー交響楽団で演奏をしてきたバイオリニスト・ビオリストというのは仮の姿。本性は蟹の食べ歩きをしているチョー大悪魔。そのセリさんが八木さんを知ってるというのです。八木さんは国立(くにたち)音楽大学の一年先輩で、顔も知っているし、コスタリカに行ったことも知っているが今でもいるとは驚きだわと言いましたが、聞いた私も驚きました。

三十年ぶりでセリさんと八木さんを結びつけたのは果たして私なのかそれとも石蟹か、というお話でした。ひとことで片付く話しですが、その間には長いドラマティックな話があるものですね。えっ、長かったけれど、ドラマティックではなかった? ・・・
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同調感・5・コスタリカ美女

日本で美女の産地といえば秋田。アメリカ大陸はというと国の頭文字がCではじまる三か国、通称3C。地図のうえから順にコスタリカ、コロンビア、チリ。わがカナダは入っていません。

その昔トロントで働いていた頃、私のバンクーバー好きにイヤミを言った部下がいました。バンクーバーなんて樵(きこり)のかみさんのような女ばかりじゃないですか。樵のかみさんとは言いえて妙だと感心したのですが、そんなことを言ったらトロントだって同じで、カナダはたのもしい女性が多い国です。

3Cのなかでもコスタリカはミス・ユニバース、ミス・ワールドで際立った成績をおさめてきた国。朝からの同調感は果たして、コスタリカ美女と話をする機会ももたらしてくれました。

練習をおえた高木裕美さんと夫君・水沢利栄氏と一緒に昼食をとりに行ったのは劇場まえにあるホテルのラウンジ。本番の前にもういちど練習するけれど一杯くらいならと高木さんもビールを頼みました。

ピアノの音が流れてきたので見ると入り口ちかくのグランドピアノに年の頃はたちくらいの美女が向かっています。エビータ、オペラ座の怪人、マイウェイなどなど。高木さんが上手、音楽性がとてもいいわと褒めながら拍手をすると、小麦色の顔がこちらを向いて会釈します。水沢さんが、ミス・コスタリカより綺麗だと言ったのに同意。ミス・コスタリカに会ったわけではないのでいい加減ではありますが。

ウェイターに、この人は日本からきたピアニストだが、あのひとを褒めているというと、彼氏それを伝言したらしく演奏を終えると美女がやってきました。水沢さんが、遠くからみると美人だが、近くだとものすごい美人だと感歎の声をあげました。この言い方は文法的におかしい、「遠くだと〇〇だが、近くだと」とくれば「〇〇でない」あるいは〇〇の反対の「××だ」というのが自然ですが、ニンゲンができているから言いません(笑)

今日は良い日だわいと思いながら、高木さんと美女、ザルハイ・アロヨ(Zarhay Arroyo)さんの音楽談義を楽しみました。その時にとった写真が今日出来上がってきました。美女にもいろいろありますが、写真をみてアロヨ嬢は優雅、上品な美女の下地に温かさがあると気が付きました。独身の男性諸君、コスタリカを訪れる価値ありですぞ。男性もハンサムが多いのでご婦人がたもどうぞ。

Zarhay Arroyoでググルとピアニストとして出てきますが、スペイン語で書かれているのでご本人かどうか分かりません。


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同調感・4
ドボルザーク交響曲6番の途中で小松長生さんのベージュのズボンのベルトから数センチのあたりの色が濃いのに気づきました。

シャツの影か、それとも汗なのか。影ならどの照明の影か、シャツがたるんでいるのか、汗なら黒いシャツも湿っているか、汗をかくほどの運動量だろうか。おや、管楽器の音が外れたぞと曲に意識が戻ったのは一瞬でまたズボンの影が気になる。こういう癖があるものだからこれまでいくつも失敗をしています。

約一時間のリハーサルが終わり、一階に下りていくとまたもや小松さんとばったり。ここのコーヒーはおいしいですよと劇場のロビー脇にある喫茶室へ入っていく後姿をみるとズボンの濃い色はやはり汗でした。シャツはどのくらい濡れているのだろうかと触ろうとしたら小松さんが振り返ったのではっきりしない。

小松さんは一年前より表情がよくなっています。後刻、高木さんにそれをいうと、暴漢に殴られて鼻を骨折して手術をしてハンサムになり、ついでに鼻の通りがよくなっていびきをかかなくなったとクリスティン(小松夫人)が言ってましたよとのこと(註)。災いを転じて福となすとはこのことですが、実際のところ小松さんはコスタリカ交響楽団との相性がとても良いのかもしれません。

ひとなつこい顔をしたコンサートマスターと若い女性バイオリニストも加わって四人でコスタリカ・コーヒーを飲んだのですが、隣のテーブルに座ったビオラ第一奏者の話も聴きたいと思いつつ果たせなかったのが心残り。

十五分ほどでピアニスト高木裕美をいれての練習。高木さんが楽団員に挨拶をしたので初めてあわすのかと思いましたが、後で聞いたら三度目だったそうです。細身のズボンをはいているので高木さんの長い左脚が跳びはねるのがよく分かります。ドレスを着るとまったく分からない動きです。高木さんの指は長いなと思ったのですが、あとでそれをいうとそれでもラフマニノフは大変ですと言いました。

バンクーバーをたつ直前まで、アシュケナージ、ロンドン交響楽団のラフマニノフ二番を数回聴いて来ました。半年前から練習している名手高木さんは完璧な仕上がりのはず。コスタリカ交響楽団がどう応えるか興味津々(きょうみしんしん)。

(註)暴漢事件については小松さんが「コスタリカ事件」というエッセイを書いています。
http://www.c-komatsu.com/
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同調感・3
私が座っている貴賓室の右は大統領専用室で、入り口は別ですが中に入れば垣根越しのお隣さんという感じです。左にもおなじような貴賓室があります。部屋には革張りの椅子がニ脚ずつ四列に並んでいますが、固定されていないので三脚、三脚、二脚と三列に変えることもできます。

百年前に造られた劇場の装飾は華麗で、メンテナンスはバンクーバーのオーフィウム劇場より上です。客席は約千席とオーフィウムの半分、二階の貴賓席からボールを投げれば舞台へ届く距離で演奏者の表情が良く分かります。

ドレスリハーサルが始まりました。聴いているのは私一人。照明が暗くてプログラムは読めません。指揮者も演奏者も普段着なのでドレスリハーサルよりゲネプロ(general probe=総合試演)というほうが正確かと思ったりしています。ゲネプロという音感から何故か学生運動家を連想してしまうので抵抗感があるのですが。

ところでこのゲネプロはドイツ語。確実を期すために何十年ぶりかで大独和辞典を見ました。博友社版、相良守峰編、1960年総革製、3,500円。紙が乾いていて手触りがよく、1800頁ありますが左手で持って右手で頁をめくるのも楽です。広辞苑は膝でささえないとしんどい。

コスタリカで著名なベンジャミン・ギテレス作、弦楽のための即興曲。美しい、ビオラとチェロがとてもよい、ビオラ奏者はコンサートマスターより腕が上かもしれない、劇場の音響効果のせいだろうか、それともコスタリカ交響楽団の音がこうなのだろうか、実にやわらかくて、電蓄の音を思い出す。

電蓄(でんちく)、電気蓄音機といっても知らないひとがいるでしょうか。アンプは真空管、スピーカーは大きいのがひとつ、CD盤を光でなぞるのではなくレコード盤を針でなぞるという装置で、モノによってはCDより良い音がでます。http://www.arquitecturacostarricense.com/teatro_nacional_.html

「木霊の宿る町・オリジナル版」で電蓄サイトをみることができます。http://ww3.aba.ne.jp/~bluesboy/gr02.html
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MPO日記

三月四日が小松長生指揮によるコスタリカ国立交響楽団とピアニスト高木裕美との共演。観光ツアーから戻ったのが前夜十時すぎ。チケットの手配がどうなっているかが分からなかったので、朝九時すぎ高木さんに電話をすると、劇場にシルビアという女性がいて、彼女が用意している、私はこれからドレスリハーサルに出るところだと云いました。これでチケットは心配なし。

ところで、みなさん、ドレスリハーサルというのは何か知っていますか。ドレスリハーサル(dress rehearsal)とは本番の通しの稽古のことで、ゲネプロ(general probe)ともいいます。そんなの常識じゃん、という声が聞こえてきそうです。まあ、そこまでは常識として、ではその所以(ゆえん)となるとどうですか。

ドレスリハーサルというのは昔は舞台衣装を着て練習したことから来たのだろうか、それともドレスに別な意味があるのだろうか、という疑問が湧き、調べたのです。分かりませんでしたが、グーグルで探していたらマレイシア交響楽団の古澤さんというひとのブログたどり着きました。

私は音楽関係のサイト35個をPCのお気に入りにいれていますが、その中のふたつはときどきカキコミをするので「木霊の宿る町」JUGEM版にリンクしています。

古澤さんのブログにカキコミするかどうかは分かりませんが、日々の練習風景がこまごまと書かれているなどプロの世界の中がよく分かるようになっているので今日からリンクすることにしました。クラシック音楽に関心のあるかたにお勧めです。
http://diary.jp.aol.com/jptyey/

★2014・5・29追記

上のサイトは見ることができなくなっていました。これが替わりのようです。

http://dfpmpo.exblog.jp/

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華氏911<イラク戦争の全真相
2004年6月28日に映画「華氏911」をお勧めしましたが、昨日これに勝る映画を見つけました。Uncovered:the whole truth about the Iraq war (暴露:イラク戦争の全真相)

昨年九月に出来上がった映画ですが、カナダの映画館では上映されていないかもしれません。ロジャースというレンタルショップに一巻だけあり、借り出すときに店員が、こんなDVDがあるのか、面白そうだと興味を示しました。

「華氏911」はテレビが報道しなかった映像を紹介しているので見る価値は大いにありますが、ドキュメンタリー映画らしく客観事実をたんたんと編集して欲しかったという印象がありました。

その点で「イラク戦争の全真相」は優れています。ブッシュ、チェイニー、パウエル、ラムズフェルド、ライス、ウオルフォビッツ達の発言が徐々に変化していくのを写しつつ、嘘をあばくひとびとを重ねていくという構成になっています。

嘘をあばいていくのは議会、外交、軍事、諜報などの機関で働いている、あるいは働いたことのある人たち、すなわち権力の内側にいる、いた人だけです。真実を話したことによってブッシュ側からの陰険な報復にあい、それまで築いたキャリヤを失った人もいます。

一連の映像を改めてみると、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルド、ライスの表情だけで嘘としりながら発言しているのがよく分かります。確信犯というやつです。一方、暴くほうはひとりひとりが自分の置かれた立場で知った確固たる事実を話しています。牧師のように振舞おうと、IQが200であろうと、嘘つきの顔にはいやしい表情がにじみでてきて、見てると気分が悪くなってきますが、事実だけを話す人たちからは、はやりの言葉でいえば、気のようなものが伝わってきます。人の心を読むなどは趣味の良いことではありませんが、そういうことを試したいひとはこの映画を見たら良いです。

一味の中で、チェイニーは顔から真意を読み取りにくいタフガイですが、彼が三年前に、WMD(Weapon of Mass Destruction=大量破壊兵器)は必ず見つかると云うのを聴いていて、これほど自信があるのはCIAでも使ってWMDを隠してあるのだろうかと思ったものです。今年になってブッシュがWMDはなかったと正式に認め、ピリオッド。様々な虚構を演出してきたにしてはあっさりしていると意外に思ったのですが、この映画をみるとCIA関係者が何人もブッシュの嘘をあばいているので、なるほど、CIAを使って細工するのは易しくないのだとわかりました。

三年間、ブッシュ一味の嘘と犯罪を見続けて、おおいに機嫌が悪かったのですが、知性、理性、道徳などすべてにおいてブッシュ一味と対局にあるアメリカ人を見ることによって、すこし癒されました。彼らを腐らせないためにも、国際社会がブッシュ一味の嘘を許さない態度を保持することが大事だと思いますし、カナダ、ヨーロッパ主要諸国は政府も国民もブッシュ一味を冷たい目で見つづけることでしょう。日本人もしっかり目を開けて見ていきましょう。
カナダ、ヨーロッパ主要諸国は政府も国民もブッシュ一味を冷たい目で見つづけることでしょう。

http://www.truthuncovered.com/film_theaters.html
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IMAX・Pulse, A Stomp Odyssey

えっ、これはカナダ人の発明だったの、彼って、彼女ってカナダ人なのと、驚くことが結構あります。そのひとつがいまから三十余年前にはじまったIMAXという会社が作っている巨大スクリーン映画。悪趣味、下品、恐怖、というものが一切ないすばらしい作品群です。日本でも見ることが出来ます。

十五年ほど昔、カナダソニーのヒトに教えたところ、トロントのIMAX劇場を借り切って、本社の会長をしていた盛田さん(故人)や時のオンタリオ州知事と一緒にみることになり、ほどなく両社は業務提携しました。今どうなっているかは知りません。いけない、横道にそれた。

今日はIMAXの最新作を見てきました。Pulse, A Stomp Odyssey。お勧めです。世界のいろいろな所で、古いのは何千年前から、新しいのは数十年前から演奏されてきた楽器、踊り、歌を四十分ほどで紹介したフィルム。音楽が好きな方、どんなジャンルでもいいです、お勧めします。アメリカが地上で一番と信じているディックやジョージ、ごらんになったら、ああ、自分たちは間違っていたと分かるでしょう。分からなかったら、知性か感性、あるいは両方に欠陥があるのかも、検査されることをお勧めします(笑)。

この映画のすばらしさを私の筆力では説明することは出来ません(というよりワインをのみすぎて眠いからか)。Rewanda Hotelには7点いれましたが、これは10点投票しました。


http://www.pulsethemovie.com/
http://www.imax.com/ImaxWeb/welcome.do

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バンクーバーの利点・サラ・チャン・完
バンクーバーがいかに便利かということを書くつもりだったのが、サラ・チャンの梯子で長くなりました。

十五年ほど前、ラジオから流れてきたギル・シャハムのカルメン・ファンタジーに衝撃をうけたことがあります。いろいろなCDを買ってきて、カルメンファンタジーだけのテープを作り、何度も聞き比べました。結果:一位シャハム、二位パールマン、三位グループにサラ・チャン他というのが私の採点。

評価ががらりと変わりました。いつも今回のような衝撃的な演奏をするとは限らないでしょうが、これからはチャンをマークします。チャンのスケジュールを探していますが、見つかりません。このあとシアトル、ロスアンゼルスに行くことは分かったのですが。広上淳一もマークします。

暖かい日が続いていましたが、今日は温度計は十度でも寒い。ひさしぶりお山は雪化粧。二週間以上休業しているシーモアスキー場も再開するでしょう。

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バンクーバーの利点・サラ・チャン・4

去年の十二月にやってきたピアニスト・ラン・ランはその技巧とおそらくは派手な動きでご婦人方のハートをつかんでいるのでしょう、ほぼ満席。ラッシュチケットで買えた席はオーケストラ席(orchestra seats=北米では劇場の一階席のこと)の最後部、おそらく普段は使わないのではないかと思われる窮屈な席でした。

31日夜、オーフィウム劇場の二階には1230席ありますが、百席くらい空いています。サラ・チャンで空き席がでるとはバンクーバーもまだまだ田舎だなあ、ショスタコビッチというので敬遠したヒトもいるかな、もったいない、気の毒、と思う一方、ありがたい気持ち。満席のカーネギーホールで聴くより、隣の席にプログラムを置いてゆうゆう聴けるオーフィームのほうがだんぜん良い。

はて、こういうとき独奏者はどうやって登場するのだっけ、指揮者が先に登場して独奏者を迎えるのか、それとも一緒に手をつないでだったか、まさか、などとつまらないことを考えていました。楽団員が着席している。コンマス(concertmaster=オーケストラの首席奏者)が出てくる。サラ・チャンが入って来る。そのすぐうしろに広上淳一がついている。客席もステージも拍手で迎える。広上も歩きながら拍手している。私は立ちあがって拍手をしたい気持ちでしたが、そんな風に思ったのは初めてです。

今夜のチャンはオレンジ色のドレス。十余年前の記憶ははるか彼方に去り、いまは見慣れた姿かたち。広上の動きも気になりません。VSOから存分に音を引き出しています。

おめあての第三楽章。重苦しいオケの音がだんだん小さくなり、厳冬のなかに春のきざしが見えたかのような瞬間を捉えて、サラ・チャンがゆっくりゆっくり舞い始める。オケとの完璧なダンス。優雅な舞いがすこし早くなり、春到来かと思った瞬間、ふたたび鈍重のオケに押さえ込まれたチャンは注意深く踊る。やがてオケは安心して、眠りにつく。眠ったのを見届けたチャンはひとり泣きはじめる。すすり泣きは消えいるかのごとく弱々しくなるが、深い悲しみがよみがえり、慟哭し、もだえる。嗚咽のなかから魂が息をふきかえし、立ち上がる。とたんにオケが目を覚ますが時すでに遅し。圧制者は高貴な魂に翻弄され、道化になったのも気づかず乱舞し、愚かな歓喜のなかでばったり倒れる。

以上、スターリン時代に生きたショスタコビッチという下敷きがあった上での印象ですが、それほで的外れではないような気がします。スターリンもレーニンも死の直前まで権力の絶頂期にありました。スターリンは倒れてからしばらくのあいだ医者もよばれずにほっておかれたようで、側近(ベリヤ、フルシチョフ、マレンコフ、ブルガーニン)による暗殺ではなかったかという説があります。いま踊り狂い、殺し狂っているブッシュ一味もばったりいくでしょう。

広上とVSOがチャンに操られたかのように激しく舞い、ばったり倒れた途端に観客は総立ち、万雷の拍手。マチネのときより少々客層が上のようです。ここだけの話、演奏の出来は前日のほうが上でした。とはいえ、絶品。サラ・チャンのショスタコビッチはもういちど聴きたい。広上淳一へもカムバック・コールを送ります。

まくあいにチャンのサイン会があるので、ホールへ急ぐと、幸いにも前から八番目に並べました。オレンジのドレスのまま現れたチャンは演奏時の深刻な顔ではなく、明るい顔。プログラムやCDの写真にある妖艶な感じでもありません。観客席からは堂々たる体躯に見えましたが、おばさんではない。貫禄はあってもやはり二十四歳、背は私より低く可憐なる乙女。

サインのしかたにアキコ・マイヤーズやラン・ランより心がこもっている感じがします。私の前のひととは一、二分のあいだ親しげに言葉を交わしていました。わたしがプログラムとCDの解説書のふたつにサインを頼むと、黒っぽいプログラムは銀色、解説書の白っぽい頁は黒とペンを使いわけたので、VSOの長井明さんがチャンは気配りのあるヒトだと褒めていたことを思い出しました。ランランもマイヤーズも黒のペンしか持っていませんでした。有名人のサインをもらうなどは恥ずかしいことだと去年までしたことがなかったのですが、やってみると新たな発見があり、まあいいでしょう。

客席に知人の姿を見かけたので、家に帰ってから電話をすると、サラ・チャンはこれまでバンクーバーに三回きて全部聴いたが、今日の曲は退屈で寝ていたといいます。あのショスタコビッチを聴けないヒトの不幸を考えていたのに、せっかく来ても寝るとは、なんと罰当たりなことを。家で寝てなさい。そういえば楽章のあいだでぱらぱら拍手がおきたが、さては居眠り族の仕業であったか。

オイストラフのライブ録音、観客の咳は聞こえますが、楽章のあいだに拍手するのは皆無。バンクーバーにオーフィームはいらない、よき聞き手のために千人のホールがあればいい。バンクーバー、利点だけではないなあ。


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バンクーバーの利点・サラ・チャン・3
●31日夕方。開演一時間前、オーフィーム劇場の切符売り場には何人もがラッシュチケット(rush tickt=売れ残り券)を求めてならんでいます。 ●さすがはサラ・チャン、混んでいるかなと思いながら、バルコニーの右側で通路側の席が欲しいと言うと、ありました。バイオリンは右側、ピアノは左側の席で聴きたいのですが、これはヒトによって好みが違うでしょうね。 ●会場でVSOの女性団員がレクチャーをしていました。ショスタコビッチのVC#1はスターリンの死後に公表された、本当はOp(opus=作品製作順の番号)77だが身の安全をはかり99として発表したいう有名な話、ショスタコビッチは非常に几帳面なヒトで、段取りに細心の注意を払ったなどという話をしました。 ●サラチャンは非常に温かいひと、カデンツァは遅、早、遅、早、と繰り返すが、最後の早はとてつもなく早く弾く、広上淳一は日本語訛りの強い英語で、そこはスキーでシューッと滑ってきて、ザッと停止するように弾けというような指示をだす、など、おもしろい話も聴けました。 ●トロント時代、キッチナー・ウオータールー交響楽団の演奏を何度か聴きましたが、ここも開演まえによくレクチャーをやっていました。楽団の音楽監督だった小松長生さんがレクチャーを聞いていた光景を思い出し、長生さんは勉強熱心な指揮者だと改めて気が付きました。 ●バルコニーの席に移動すると、そこは前日の席より十段上ですが左側が通路なので舞台をよく望める良い席です。前日は47ドルが、今日は15ドル(1300円)。 ●去年サントリーホールでコンセルトヘボーを聴いたときのラッシュチケットが2万円以上だったのにくらべて天地の差です。しかも、あのときはプログラムが1000円。ここは無料です。 ●天才サラ・チャン、かつて太平洋側で一とうたわれた華やかなホール、そして15ドル。演奏の始まるのを待ちながら、バンクーバーの利点はこういうことでもあるのだとかみしめました。 ●トロントも同じような環境ですが、町が大きいだけあって劇場へのアクセスが面倒、ロイ・トムソン・ホールの音響は良くない。百キロさきのキッチナー・ウオータールーにあるホールの音響は良いのですが、冬になると、吹雪のなかを命がけで走ったり、一泊したりでした。いまは我が家から車で十五分、楽勝。万歳。 http://www.c-komatsu.com/
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バンクーバーの利点・サラ・チャン・2
薄青色のドレスをまとったサラ・チャンは眉にしわを寄せて弾いている、客演指揮者の広上淳一は動きが大きい、そういえばサラ・チャンもよく動く、というようなことが気になってしばらく聴くことに集中できなかったのですが、三楽章、カデンツァ(cadenza=交響楽団が演奏をやめて独奏者だけが演奏する部分)がはじまると、いやあ、これは凄い、まるで強力な掃除機に吸い込まれたかのようにサラ・チャンの動き、演奏のなかにとりこまれ、翻弄されるかのようです。

それまで魔法にかかったかのように微動だにしなかった指揮者、楽員がゆっくり、静かに、注意深く動き始めたので、ようやく我に返ると、そのまま第四楽章。楽団、ソロ、指揮者が完璧に一体となりきって演奏を終了。深刻な顔をして弾いていたサラ・チャンがにっこり笑って広上淳一と握手。心底満足という笑顔のチャンと握手をしている広上の背中からも同じような満足感が伝わってきます。

ショスタコビッチのVC#1とはかくも凄い曲だったのか。それにしてもいまのは特別の出来だったのではなかろうか。広上とチャンは音楽性、波長が合うのではなかろうか。VSOはまるで別な楽団のようだった。

まくあい(幕間)を利用して劇場のCDショップへいくと、サラ・チャンのCDがとぶように売れています。二種類おいてあるうちソナタ集を買いました。売り子のおばさんがCDを渡すときに、Incredible concert, isn`t it.(信じられないコンサートね)と笑いました。CDのチャンは黒いドレス。さっき着ていたのよりいいなあ、とわが思いの次元はふたたび落ちていく。

家にかえりCDでショスタコビッチのVC#1を聴きました。デビッド・オイストラフとチェコ・フィルの演奏です。この曲はショスタコビッチがオイストラッフにささげたもので、1955年の初演もオイストラフが演奏しています。(楽団はレニングラード・フィル)。そういうわけでこのCDは由緒正しい(笑)のですが、ライブ録音のせいで、いろいろな雑音がはいっています。カデンツァのところもさきほど聴いたような凄さが伝わってきません。

む、もしやサラ・チャンはオイストラフを凌駕したか。明日も演奏するから、切符が手に入ればもう一度聴こうと決めました。

http://www.siue.edu/~aho/musov/dmitri.html


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バンクーバーの利点/サラ・チャン・1
30日の日記を書いた後すぐに家をでてオーフィウム劇場へ行きました。いつも使う駐車場が閉まっていたため他の駐車場へいくと機械が壊れていて駐車券が出てこない。こういうときそのまま駐車するとワイパーにはさまれた十倍の請求書とご対面となります。

べつな処をさがそうと車にのると、オーストラリヤからやってきて、ウイスラーへ行くという若者につかまり、長々と身の上話を聞かされました。で、私に何をして欲しいのだと聞くと(聞くのも野暮というものですが)バス代がいるので幾らでもいいから金をくれ。

こざっぱりしたなり、丈夫そうな体、ウィスラーで遊ぶ、オーストラリヤ英語を話さないオーストラリヤ人。こんなことでひっかかるほどボケてない。グアンタナモ、アブグレイブで無実のヒトたちを牢獄につなぎ、拷問にかけ、性的虐待をし、殺しているブッシュ一味が自由を説くのに似ていないでもありません。あやつは抜けてるのか、それともホントに騙せると信じているのか。おーい、ジョージ、うまくいったかー。コイズミー、ひっかかるなよ。

そんなこんながあって、開幕には間に合いませんでしたが、サラ・チャンの演奏が始まる直前に無事着席。

十数年前、トロントデビュー時のサラ・チャンは子供。トロント交響楽団所属の日本人バイオリニストが新聞に、ちっちゃな女の子がいともかんたんに弾き、それがとてつもなく上手なので、なんだかおかしくなって笑ってしまった、取材にきていたメディアのヒトが気になり、あれは誰と何度も振り返るので練習が進まなかった、などなど興味をそそられる話をたくさん書いていました。しかしこのとき私は聴きに行くことが出来ませんでした。トロント時代に聴き逃して残念だったのはサラ・チャンとイツァク・パールマンです。

三年前バンクーバー公演があり良い席を予約したのですが急にアメリカ出張がはいり、知人に安く譲り、くみちゃんと一緒に行ってもらいました。くみちゃんはこの他にも藤沢市民会館でサラ・チャンを聴いています。トロントでも聴いているというので、すると、あの時も私は出張だったのかなあ。

ようやく私にめぐってきたサラ・チャンはおんとし24歳。バルコニー席から双眼鏡で見ていると、やがて舞台に現れたサラ・チャンがこちらを見上げてしっかりと私の目を見たのでどっきり。ようやくあなたにめぐり合えました、懸命に演奏しますわ。

こういう経験をしたひといるでしょう。いやあ、目があっちゃってさあ。あのひとあたしのことを見たんだわ。でもたいていは錯覚です。演奏家が観客席のすみからすみまで、サーチライトのように視線を動かすのにぶつかっただけで、あなたの目を覗き込んだのではありません、ようやくあなたに会えましたなんて言っていません。残念ですねえ。でもいいのです、そう思っていればいいものが聴こえてきますから。

私がもっているサラ・チャンのCDはいずれも子供時代の演奏。したがってジャケットの写真もあどけない顔です。しかし、わたしを見た(まだ言ってる・笑)サラ・チャンの目は力強いオトナ。プログラムにのっている写真で、変わったのは知っていましたが、舞台にあらわれた姿は、ム、堂々たる体躯。そういえば、VSOの誰かが言ってたなあ。おばさんですよ、って。十数年の空白のなんと残酷なことか。
http://www.sheilascorner.com/sarah.html
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28345・江口玲&野山真希
上の題をみてピンとひらめくものがありますか。

江口玲さん、野山真希さんは木霊日記に何回か出てきたピアニストで、私はときどきお二人のHPにカキコミをしています。カキコまない日でもよく見ています。ピンときましたか?

去年のいつごろだったかよく覚えていませんが、あるとき二人のサイトをみていてカウンター数が似ているのに気がつきました。江口さんがプロ演奏家として活動しており、一方、野山さんは芸大で学びながら活動していますから、知名度は江口さんの方が上です。ところがふたりのHPのカウンター数が似ている。これは面白いと思い、メモしたのが11月26日。26056(野山)、25979(江口)。77、0.3%の差はないに等しい。

12月2日は26269(野山)26244(江口)差25、12月4日、26356:26337、差29。次に見たのは12月9日。なんと逆転していました。26517(野山)26554(江口)差37。その後も江口サイトは伸びて、12月19日は115差、12月29日は183差になりました。0.3%野山リードから0.7%江口リード、1ポイント逆転したわけです。

12月、野山さんは卒業論文を書いていてHPどころではなかったのでしょう、読者のカキコミへの返事が遅れ気味、メッセージ欄もなかなか更新されません。それと比例してカウンター数が減速していき、12月18日は前日比17まで落ちています。一方の江口さん、読者への反応はすばやく、メッセ欄も二日にいちどくらいの割合で埋まっていました。

江口サイトの掲示板はどんどん賑やかになっていくので、このまま差が開いていくのかと思っていたのですが、卒論を終えた野山さんが興味深い話を何回か書きこんだせいか、一月になると野山サイトが伸びてゆき、1月14日には27692(野山)27794(江口)差102まで挽回。19日の差は63、21日は25、29日は3。30日には28311(野山)28306(江口)と5差の逆転。

そして今朝ふたりのカウンターは28345と同じだったというわけです。こんなこと読んでも面白くないですか? こういう現象に出くわすのは実に面白いことなのですがねえ。面白くなくても、もうひとつ書くぞ。これはホントに面白くない。

この木霊JUGEMサイトへのアクセス数。前にも書きましたがカウンターの三倍くらいあります。11月のアクセス数は2971。最低は11月1日の12、最高が11月18日の311。12月は3514(27日・69〜15日205)。今月3452(1日・67〜28日・239)でした。オリジナルサイトが復活したのでJUGEMへのアクセスが減るかと思いましたがそうでもないようです。
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コンセルトヘボー

東京にきています。

飛行機の中でロイヤル・コンセルトヘボーの公演があることをしり、いって来ました。サントリーホールのマチネー。幸いチケットが手に入りましたが、値段が高いのに驚きました。このまえバンクーバーで聴いたアキコ・マイヤーズ、や野山真希の20倍。2倍の間違いではありません。

五年ぶりに聴いたコンセルトへボーは聴いて良かった、の一語です。五年に一度ならこのくらいの出費は許されるか。
 

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 08:31 | - | trackbacks(0) |
打ち上げ会
29日午後三時、不調のPCを清掃してもらうため人に預けました。

アメリカ行きをやめたので、急遽この夏に開催したゴルフトーナメントのわがチームを中心に六人でオクトパスガーデンで夕食。チームメンバーの女性ふたりはゴルフの初心者ゆえ私が師匠格。師匠たるもの強権をふるうのが常。野山真希リサイタルの準備を手伝ってもらった経緯があります。

この二人がいなかったら準備が間に合わなかった可能性がありますが、弟子たちにそういうそぶりはみせないのが権威を保つ秘訣。などという厚顔ではないので、おおいに二人には感謝の念を述べました。ところが、この二人、いや、わたしもリサイタルの当日はフロントデスクにいたりして演奏を全部聴いていません。

そこで松本さんが作成したdvdを二人に渡すというのが今夜の目的。レセプションを手伝ってくれたオクトパスにも一枚進呈。今回の野山真希リサイタル協力者との打ち上げ会はこれでおしまい。

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 23:09 | - | trackbacks(0) |
映画チームアメリカ・ワールドポリス
火曜日は映画が安い日。CNNでちらりと紹介していたTeam America:World Policeを見てきました。八ドル(七百円)。紹介のときに金日正らしきジンブツが出たきて面白そうだと思ったのですが、お勧めしません。

「サンダーバード」という人形をつかったテレビ番組がありましたが(まだありますか)、それと同じように粗い人形、粗いセットをつかった映画で、そういうのが好きというひとは楽しめるでしょう。映画のでだしは悪くなかったですから。しかし、

テロリストを追うチームアメリカの馬鹿馬鹿しさをこれでもかこれでもかと描いたかと思うと、返す刀で反戦グループをからかい、悪役金日正をやっつける。笑えますが、すべてを矮小化されると笑いながらも疲れてきます。ストーリーは陳腐で支離滅裂、映像、言語は悪趣味。説明をはしょるのでピンとこないでしょうが、最初に書いたように「粗い」という感じだけが残りました。

こういう映画がうまれ、それがヒットチャート三位につけるところにアメリカ文明の疲弊を感じます。よくない時間を過ごした。暖炉の前でビールをのみながら囲碁のビデオでもみてればよかった。
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 23:42 | - | trackbacks(0) |
野山真希リサイタルDVD差し上げます
ブリティッシュコロンビア大学の松本先生は秋田県大館の出身、などということは本題と関係ありません。大学時代から映画、写真の撮影が趣味だそうで、今は最新の機械を駆使してDVDを作成しています。

大学のなかにある瀟洒な住宅街のコンドミニアムに住んでおられますが、居間は機械類と畳(たたみ)サイズのテレビが占拠している感があり、バルコニーにでるのも不自由そうです。奥様は不満ではなかろうかと心配です。なんていうのは嘘。ひと(他人)の不幸は密の味、心配などしません。

松本さんは十月二日、野山真希ピアノリサイタルのDVDを作成していましたが、追加のDVDができたというので先ほどわけてもらいました。

リサイタルの様子を見たいというかたがおられたら郵送先をご連絡ください。三名のかたに無料でお送りします。onomar@hotmail.com

松本先生と別れ、大学構内をゆっくりドライブすると、新しい建物が増えていて、なおまだ増え続けていて、そのデザイン、色合いが変わっていて、ああ、三十年という時間がたったと思いました。

むかしと変わらないねえ、と見ているのは紅葉、黄葉。そろそろ散り始めていますが、色づき始めたころにくらべて透明感があってとても美しい。ニンゲンも年を重ねるにしたがい、こういう透明感がでてくるといいですね。え、出てます? 頭のてっぺん?そこは出ないほうがよろしい。

ライオンズ橋を渡りながら、今日の雨は冷たいなあと思いグラウス山をみるとスキー場が白い。今年もトレーニング不足のままシーズンを迎えてしまった。今週こそはジム通いを再開しなければいけない。

http://www.makinoyama.com/
続きを読む >>
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 08:32 | - | trackbacks(0) |
コンサートホール
野山真希リサイタルの前後、ピアノのCDを集中して聴いていたのでバイオリンが聴きたくなっていました。

バイオリンといえばギル・シャハムと思い込んで十余年。とはいえトロントには色々なバイオリニストがきました。巨匠、アイザック・スターン、デビュー早々の諏訪内晶子、トロントに何度も来たミドリ、早熟サラ・チャン、変わったバイオリンをひっさげていたジョシュア・ベル、ほか名前をわすれてしまった何人か。

心にしみて目頭があつくなったのはスターン。たんたんと弾いている姿をみていて急にこみあげてきたものは何だったのか。彼の全人生がおしよせてきたかのような、若い人の演奏には感じられない得体のしれない何物か。すこしだけ涙腺がゆるんだのはシャハムと江口玲のアンコール曲。ふたりの諧謔な精神に笑い、研鑚をつんだ演奏とはこういうことかとため息。

アン・アキコ・マイヤーズが土、日、月の三日間バンクーバー交響楽団(VSO)と共演。三度目のバンク-バー滞在が三年になろうとしているのに、VSOの演奏を聴いたのは僅かに二回。一度は教会、もう一度は野外。本日、ようやくVSOをホールで聴きました。

演奏内容(マイヤーズ秀逸です)は省略してホールの話。かつて北米西海岸随一と賞されたオルフェ劇場は八十年近い歴史があり、古ぼけた倉庫のような建物の中は華麗な装飾を施された世界。「オペラ座の怪人」を数年(十数年だったか)にわたり上演したトロント、パンテージシアターに似た雰囲気。

たいへん立派なホールですが、隣接している地下駐車場がいけない、まわりが建て込んでいてアクセスしにくい。中はそのままにしてまわりを少々手直しするとぐんと良くなることでしょう。

これにくらべると遥かに小ぶりで、歴史の重みも、目を奪う装飾もないバンクーバー・アカデミー・オブ・ミュージックのホール。建物の外見は倉庫ではなく、数百メートル離れた博物館と好一対。目の前にひろがる海と山。野外駐車場はひろびろ、明るい。音響効果、録音録画設備に追加投資をするとぐんとよくなるでしょう。どなたか財閥のかた見にこられませんか。


http://www.city.vancouver.bc.ca/theatres/orpheum/orpheum.html
http://www.aercoustics.com/projects/architec/pantages/pantages.html

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 08:25 | - | trackbacks(0) |
月餅
野山真希さん本日帰国。くみちゃんと一緒にホテルから空港までアッシーをしました。

飛行機に乗るまえに李金星(Li Kum-sing)さんの家に寄りたいと言います。李さんは一週間ほどまえから風邪をひき愛弟子のリサイタルにもこられなかったので、野山さんは三日の夜にお見舞いかたがた指導をうけに行っていますが、李さんがもういちど会いたがっているのだそうです。

空港で荷物をあずけ、グランビル通りと49丁目のお宅へ伺うと、なるほど十日ほど前にあったときにくらべてやつれた感じ。バレーの先生をしている李夫人が出勤するところで李さん自身がお茶を用意してくれました。

一緒に出てきたのが月餅。マレイシアからだれかが持ってきたという薄い白い色の餅と日本の中華街でも売っている中国本土型の餅。ナイフで切って三人にわける李さんには親のような慈しみがあり、李さんの右隣りの床のうえにすわっている野山さんも幼児のような柔らかい表情になっていました。あまりにも良い図なので写真にとりたいねえと云ったのですが、誰もカメラを持ち合わせていなかったのは残念。

小一時間ほどのあいだに二種類のお茶をご馳走になったあと空港へ送ったのですが、ああいう雰囲気の師弟関係であれば、李さんが勧めたように、野山さん、一日滞在をのばせば良いのに。

野山さんをのせた飛行機が飛びたち暫くすると激しい雨が降りだしました。
| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 21:48 | - | trackbacks(0) |
日記脱落・野山真希さん
「紐の怪」の続きを書こうと思って九月三十日の日記をみようとしたら、二十七日から三十日までの記録がなくなっていました。バックアップへいってもみつかりません。ゆうきんママ、なんとかしてくれー。

今夜は野山真希さんが留学中に伴奏をつとめた合唱団が主催する夕食会が上海楼という中華料理店でありました。参加者二十名。ブリティッシュ・コロンビア大学の松本さんというかたがとった演奏会のビデオをみながらで楽しい集まりでした。

演奏中ペダルを踏むとキーキー音がしたことについて野山さんは、気持ちを集中するためにエネルギーがいったけれど心に乱れは生じなかった、コントロールしてやろうようという意欲がわいた、と云っていました。

この態度はいろんなところで応用できそうです。この世に生きていると理不尽とおもえることがたくさんおきますが、それを莞爾と(にっこりと、というような意味合い)うけとめ、それが起点だ、ここからどこまで進めるかということを考えるのが良い。

数年前、記録的な大雪が降ったあとウイスラーでスキーをしたときのこと。ふかふかの深雪を結構うまく滑っているなあと悦にいったのがまちがい。体が宙に舞い転倒、スキーの板がはずれ、雪の中に隠れてしまいました。探し出すのに三十分ちかくかかり、深雪を脱出して普通のトレイルに戻ったときは疲労困憊。もうスキーはいやだと思ったものです。

そのとき左のほうから滑ってきたのが片足のひと。深雪を上手にこなしながら滑っています。つくづく反省しましたね。隻脚どころか脚のないひとだって滑っている。自分は脚が二本あるのに何を考えてるんだい、と。

日本からやってきての演奏で生まれて初めての事故にあい、悔しかったらしいけれど、そこにとどまらないで気持ちをきりかえて演奏しきったことで野山さんは一段と高い世界へ移ったのではないでしょうか。

日記の一部がなくなったくらいなんだ。とはいえ、あの四日間は何を書いたんだったかなあ。

| おのまのプロフィール | 音楽・美術・映画 | 21:47 | - | trackbacks(0) |
本日爆睡
大げさなのでいつもは使わないのですが、こうやって使いたくなることがあるのだから爆睡とは傑作語なのでしょう。

昨日、レセプションの後片付けで最後まで残っていた六人は食事をしておらず、急遽オクトパス・ガーデンに行こうということになりました。野山さんも参加。

レセプションを企画したのは女性たちで、オクトパス・ガーデンから寿司をとっていました。おおきな寿司桶が六個。駐車したところからオクトパスまで僅か十メートルの距離でしたが、重かった。店のカウンターに運び込むと、サダさんとシゲさんが一瞬びっくりしたような顔をし、一呼吸おいて言ったのが「桶、そこに置けー」。どうせ何か言うだろうという心の準備がなければ吹き出して、床に落としていたかもしれない。

家に戻ったのが夜中の一時過ぎ、眠れないのでヤフーのインターネット囲碁をしました。いくら打っても負けます。前日は朝の三時におきて五時間ちかくコンサートの準備をし、九時からゴルフ、五時からコンサートの手伝い、そしてお酒。勝てる筈がないと負け惜しみ。

朝六時ベッドに入り、三時間ほど眠ったあと庭仕事をしていると、野山さんから電話。これから写真家とランチ、アメリカからきた友人とディナーというスケジュールだというので、必要になったらいつでも車をだすからと答えて、午睡。六時ころおきて夕食。テレビをみているうちに寝てしまい、いま起きたところ。

野山さんは夕食のあと李金星先生のところで夜十一時までレッスンを受けたのでクミチャンが迎えに行き、ロンズデール・キー・ホテルまで送りました。ホテルのこと前に、書きましたっけ?

http://tourism-vancouver.worldres.com/script/property.php?hotel_id=19116&NI=7

きれぎれで九時間の睡眠、爆睡ということでもないかな。しかし一日中寝ていたような気がしてならない。 



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ピアニスト野山真希
今夕、野山真希さんのリサイタルがバンクーバー・アカデミー・オブ・ミュージックで開かれました。

野山さんが三年間かよった音楽学校に備わっている280席ほどのホールは七分の入り。その半分以上が野山さんの知人、友人で、カリフォルニヤからやってきたアメリカ人夫妻もいました。

或る国際コンクールで入賞した三人のために開かれたコンサートに野山さんが招かれたのが一年前のいまごろ。私はアメリカに出張していて聴く事ができなかったのですが、彼女の帰国前日にくみちゃんと三人で昼食を一緒にしました。野山さんがバンクーバーを去ったあと半年ぶりの再会。

野山さんがバンクーバーに強い郷愁を感じていることはホームペイジをみて分かっていました。わたしは留学をおえてからバンクーバーをふたたび訪れるまで十一年かかった、なんども夢にみた、それにくらべて野山さんは僅か半年で再訪している、良い時代になったものだと云うと、これからはどうか分からないと愁い顔。毎年、バンクーバーを訪れるライフスタイルにしたらいいじゃないのと励ましましたものです。

帰国した野山さんから、来年もバンクーバーに来ることを考えていたら愉快になってきましたというメールがきて、まあ、それからいろいろありましたが、今夜のコンサートにつながったということです。

コンサートが終わったあとホールでレセプションが開かれましたが、最後の客が去ったのが、十時ちかく。ふと気づくと野山さんは誰もいない舞台に戻り、ベートーベンのピアノソナタ第八番「悲愴」の第一楽章をひいていました。どういう心境だったのか、ホームペイジに書くかもしれないとひそかに期待しています。
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音楽のプログラム
ピアニスト野山真希さんのリサイタルの日が迫っていますが、プログラムが出来上がるのはぎりぎりになりそうです。演目の解説、英語でNotes on Programといいますが、これが未完。急遽、私が引き受けることになったからです。

日本語の解説原稿がありますが、それを英語に訳す事と、読んでわかりやすく且つその曲への関心が深まるようなバランスのよい解説にしたいと思い、アカデミーの資料、CDにある説明、グーグルで検索したりしています。

局部的なことしか書いてなく、全体像が浮かび上がってこない説明、何度よみかえしても何を伝えたいのか分からない説明、同じ曲なのに人によって作曲された年がちがっていたりで、なかなか手間がかかるものです。今日になった、できあいを買えるのが分かりましたが、タイミング、コストのことを考えて見送りました。http://www.symphony.net.au/prod_pub_09.html

プログラムの体裁もこれからで、いろいろなプログラムをみています。1998年3月19日、カーネギーホール、ギルシャハムの50頁ちかいプログラムがありますが、肝心の演目や曲目解説の頁を見つけるのが大変。まるできれいな花が雑草に埋もれている荒れた庭というか、大皿にゴテゴテ盛った田舎の料理を思わせます。

作業をしながらベートーベンのピアノソナタを聴いていますが、高校生時代によく聴いていたのがいつのまにか遠ざかっていたことに気がつきました。http://www.gate.net/~nnomoto/beethoven/sonatas2.htm
http://www.physics.usyd.edu.au/~simonj/lvb/ps_more.html#op13
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