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過去⇔現在を行ったり来たり・ときどき未来へも@バンクーバー 

物語R 5
 

物語R 5 

 

東京駅のコンコースを八重洲口から丸の内の方へ歩いていたら丸の内の方から数人の男たちが走ってきた。両手で持った銃を右腰のあたりに構えながら走っている。散開せよと言うのが聞えた。戦争ごっこをやっているのだろうかと思いながらやり過ごしたのだが、その先の記憶が飛んだ。

 

京都に出張したのは覚えているのだが気がつくとふたたび東京駅のコンコースを歩いていた。丸の内側から八重洲の方へ向かっていたのだが足がとまった。数人の男が倒れているではないか。昨日みたのは戦争ごっこではなく本物の戦争だったのかと思ったら、ひとりの男が銃を右肩に当てたまま八重洲の方に走っていった。

 

無謀なことをするものだ、柱に隠れながら進まないとたちまち敵の標的になるではないかと思ったのだが、戦闘は終わっていたらしく敵からの銃撃はなかった。

 

それにしてもこのまま八重洲の方に進むのは賢明ではないと思い駅から外にでたら三十人ほどの集団がみえたのでそこに加わった。皆たんたんと歩いている。逃げこむ先は遠く、敵がすぐ迫っているというのでもないらしい。

 

ふと気がついた。新幹線の乗り場は八重洲近くにある。さっきいた場所は中央線乗り場に近かった。東京と京都を往復したのであれば逆ではないか。

しばらくすると景色が変わった。建物らしいものがなくなり、道路の右側は緩やかな傾斜になっていてだだっぴろい野原が拡がっていた。やはり東京駅にいたのではなかったらしい。

 

それにしても後ろから敵が追いかけてこないとはおかしい、もしかすると先回りして待ち伏せしているのではなかろうか、集団と一緒に進むのは危険ではなかろうか、集団が進んでいる方向から九十度右方向に進んだ方が安全ではなかろうか。

 

目立たないように集団から離れ、ゆっくりと身を沈めて緩やかな傾斜をごろごろと転がっていった。土は乾いていて何の抵抗もなく五十メートルほど転がってからとまった。そこからは平らだった。

 

立ち上がろうとして見たら集団との距離が二百メートルほどになっていた。集団は走っていた。敵は先回りをしたのではなく後ろから追いかけていたのだ。道から外れたのは正解だと思ったのは一瞬で、転がってきたばかりの斜面に銃弾がうちこまれ土が幕のようになって舞い上がった。起き上がると見つかる。このまま伏せていよう。

 

一分もしないうちに銃をもった兵がそばに立った。目を見開きまばたきをせず、呼吸を浅く短くした。死んでいると思ってくれと願ったが、腹も胸も背中もかすかに動いているのが自分でもわかる。

 

撃たれるなと覚悟したときに頭の右に黒っぽい箱のようなものが見えた。一辺が二十センチほどの立方体で柔らかいビニールのようなものでできている。中に白いものが入っている。よく分らないが小さな女の子が好みそうなモノだろうか。兵がそれをみた。

 

どのくらい時間がたったのだろう。もう起きていいだろうかと思ったらそのまま一メートルほどずり落ちて体の半分が泥のなかに埋まった。気を失っていたのだろうか。その間に雨が降ったのだろうか。泥の中から起き上がることが出来ない。 もしかすると死んでしまったのだろうか。

(Tuesday, February 15, 2011)



物語R 1〜4
http://onomar.jugem.jp/?day=20100323
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物語R 4
 

物体Rを夢で見たのは一度っきり、記憶はだんだん薄れていく。

記憶を固定させようとしているうちにこんなことを考えた。

歪んだ直方体に映像がみえたのだが、あるいは直方体自体が映像だったのかもしれない。手にもつ柄(え)から直方体の映像がしんきろうのように投影された。直方体が揺らいだことの説明もつく。

大脳→手→柄のつながりで大脳波が物体Rとシンクロして直方体の映像幕が現われる。Rが十年もたたない内に売られるようになるかもしれない。



人間はいつだって耳から音が入ってきているし、目を開ければ何かしらをみている。刻々と情報が大脳に運ばれているのだが、そうした情報が全て意識されたり、分析されたりしているかというと違う。

たとえばこんなことである。

先日、知人のゴルフクラブでゴルフをしたのだが、あるホールからスキー場らしき山が見えた。雲が半分かかっている。

あれはグラウスですかと訊いたところ、そんな山を見るのは初めてだという顔をして、いや、シーモアでしょうといった。

しばらくすると雲に隠れていた風力発電のプロペラが見えたので、グラウスだと分った。

知人がそのクラブのメンバーになったのは数年前であり、毎年、数十回ゴルフをしている。だからゴルフ場から百回はグラウスを見ている。それでもグラウスがみえていなかったのである。

見ても視ない、聞いても聴かない。

別な知人の家は西バンクーバーにあり、海を見渡せる。アラスカクルーズをはじめとしてたくさんの船がみえる。

おお、カナダ ♪のメロディーで汽笛が鳴った。カナダの国歌のメロディーである。

いま、おお、カナダ ♪で汽笛が鳴りましたねと言うと、知人が、そんな汽笛はありませんよと言った。ええーーってなものである。 海がみえないおのまの家でさえ何度も聞いている・・・

見ても視ない、聞いても聴かない。

アメリカ大陸にヨーロッパの探検家がやってきたとき、原住民は沖合いに現われた船の姿が見えなかっただろうという学説がある。それまで見たことのないものは目に映っても見えないというのである。

見ても視ない、聞いても聴かない。

こういう話はゴマンとある。人の話でなくても、いまこれを読んでいるあなたも自分をつかって実験することができる。

PCから顔を上げる。

一分ほど周囲を見る。

PCを立ち上げる前には気にとめなかったものが見えてくるだろう。

でもってそれらを懸命に見る。細部にいたるまで見る。見るのは自分の手のひらでも良い。

目をつぶる。

今みた映像を頭のなかで見ることができるか。そして明日の朝、目が覚めたときにどれくらい再現できるか。

ことほどさように、目や耳から入ってくる情報のすべてが顕在意識として意識されるとか、記憶に固定されるとかではなく、大半、恐らくは90%くらいが潜在意識に入ってしまうか、あるいは記憶が薄れてしまうかである。

顕在意識ではなく、潜在意識に入ってしまった情報をとりだす仕掛けが物体Rではなかろうか。

仮令(たとい)、記憶が薄れても、大脳はなんらかの刺激を受けているので極小な痕跡がのこっている。物体Rを使ってその痕跡を見るである。


クリックすれば物体R
クリックしないと豚
↓ 
http://blog.with2.net/link.php?310164

オー カナダ ♪
http://www.youtube.com/watch?v=XjiwBwBL4Qo

これまでの 「物語R」 
http://onomar.jugem.jp/?day=20100323
http://onomar.jugem.jp/?day=20100420
http://onomar.jugem.jp/?day=20100423
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物語R 3 

物体R



物体Rを操って映像をみるにはRの角度を変えると書いたのだが、四月二十三日(金)の明け方、うつらうつらしながら、Rを動かすのではなく、自分の脳波を調節することによって見えてくるのではないかという考えに至った。大脳の機能を物体Rに同調させるのだ。

次の絵からドクロの立体絵を見るには、絵の角度を変えるのではなく目を調節することによって出来るのと似ている。



ドクロの立体絵が見えてくるまでおのまはニ、三秒かかる。早いのか遅いのか分らない。見た瞬間にドクロが浮かび上がってくる人、反対に一日かけても、あるいは一生かけても見えない人がいるのだろうと思う。

物体Rでどういう映像を見たのかを覚えていない。そしてRが夢に出たのは一回だけである。おのまに見せても役に立たないからということかもしれない。或いは出てるのに目が覚めると忘れるのかもしれない。

なにゆえRが夢に出てきたのかを考えた。

こういうことではなかろうか。

おのまに物心がついたころ、父は満州時代の仲間と会社をつくり、福島県の奥会津にある鉱山で土木事業をやっていた。

横浜時代、家に戻ってくるのは年に一度かせいぜい二度だったと思う。

母から父を駅まで迎えに行きなさいと云われて出迎えたことがある。駅から出てきた父の顔をみて少年おのまが云ったのは 「こんにちわ」 であった。こども心ながら変だなと思った。父はなにも言わなかった。

父と一緒に乗ったバスは混んでいた。オトナたちにつぶされそうになりながら少年おのまは床の上に小さな紙包みが落ちているのをみつけた。足でもって父の方にそれを押しやった。気がついた父は拾い上げ家に持ち帰った。

そのときに生じたかすかな罪悪感を覚えているが、中に何が入っていたのかは思い出せない。菓子のたぐいだったと思う。

父たちの会社は朝鮮動乱の軍需の恩恵に預かったのだと思う。おのまが中学生のとき父は郡山に百坪の土地を買って四十坪ほどの平屋を建てた。借金ゼロだったという。

その家には小さいながら女中部屋があり、たぶん奥会津からつれてこられたのだろう、ひとりの少女が暫くの間そこに住んだ。少女の年は十五、六であったか。

当時、母が結核にかかっており、家事の手伝いをしてもらっていたらしいのだが、おのまが学校から戻るときには女中部屋にひきこもっていた少女とことばを交すことは一回もなかった。短い期間だったが、あの年で見知らぬ家にくらすのは寂しかったであろう。

父が事業を始めて家が建つまで十年ちかくかかっている。当時は今と逆でインフレの時代であるから借金をして建ててたら得したろうにと思うのだが、インフレに負けないだけの貯金をしたのは凄いと思う。

いま日本ではデフレから脱却してインフレにしないといけないとか、大衆は貯金ではなく消費をすべきだと説くひとがいるが、笛吹けど踊らず。バブル時代のから騒ぎを忘れない日本の大衆のほうが賢い。

量でいったら家もモノも十分すぎるほど確保した日本は国の方向付けが大事。アメリカの戦争に貢献するのではなく、アメリカ国債を買うのではなく、自己責任のスローガンでもって弱者を切り捨てるのではなく、日本に住む人全部のくらしを良くすることに意を用いるのが肝腎である。

そういう観点からみたら民主党の路線は間違っていない。外国人に参政権を与えることにも賛成である。日本に外国から知恵と富がやってくる。

市井のくらしに迷惑なのだから、普天間にいる米軍ヘリ部隊を移転させるのは当然である。アメリカの都合より沖縄ウチナンチュウの都合を優先させることだ。

「ラ・ターシュに魅せられて」にこういうコメントを送った。

早くして

石原珍多老よ、貴殿が約束していた横田基地の奪還はどうなっているのだ

などと白々しく云ってみる

石原  の云うことなどハナから信じていないもんね

鳩山さんよ、今、あなたは日本の大家(おおや)さん。下宿人のオバマさんにこういえば良いのです:普天間のヘリ舞台、部隊を横田に移しなさい  

大家さんがどうなってもおのまは構わないけど、早くしないと恐い地上げ屋さんに追い出されるよ・・・と脅かしてみる
 

小川和久著「日本の戦争力」(09年4月)

普天間の海兵隊のヘリコプターを仮の移設地へ早急に移駐させ、市民が直面している危険を取り除くことです。私が総理大臣であれば、1週間以内というように期限を切って移駐させるでしょう。普天間の海兵隊ヘリ部隊は有事即応部隊ですから、すぐに移動できなければ指揮官は更迭です。整備用の施設などはあとから移設すればよいのです



| おのまのプロフィール | 物語R | 23:34 | comments(4) | trackbacks(0) |
ステレオグラムの例
本日のブログ 物語R2 にでてくるステレオグラムの例をふたつ

絵の中心をじっと見ていると ドクロ  と Y が浮かび上がってくる

浮かび上がると絵は輝く





| おのまのプロフィール | 物語R | 01:46 | comments(1) | trackbacks(1) |
物語R 2
三月二十日のブログ「物語R」にこんな絵を載せた




 http://onomar.jugem.jp/?day=20100323

夢の中でみた物体である

みたところなんということもない、これを物体というのは大仰ではないか、モノと云ったらいいではないかといわれるかもしれない

これを物体と呼んだのは、夢の中での感覚が残っているからである。右手にぴったりおさまる柄(え)をもち、まるでコンニャクのように歪む直方体をみたときの感覚である

自分の手にあるこれはなんだろうと思ってみていたら直方体の中に映像が浮かび上がってきたのである。映像はすぐ消えたので直方体の角度を変えてみるとまた見える。映像は現れては消える

直方体の形を固定させたり、映像をしっかり見るにはこの物体をうまくコントロールする技量が要るようである。バイオリンを操るような技量である

ストラデバリやガルネリの名器もおのまの前ではガラクタ同然。ギル・シャハムやサラ・チャンといった技量の持ち主でないと真価が発揮できないというようなものである

なんとかしてこの物体をあやつってみたい

この物体をRとなづける

Rのあやつり方はステレオグラムをみるのと似ているのかもしれない。ステレオグラムの絵をじっとみていると何かが浮かび上がってくる。浮かび上がってくる絵は光ってみえ、次元の違う視界が現れる。Rはそういうものに似ているのではなかろうか

ステレオグラム

クリックすれば物体R
クリックしないと豚R
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| おのまのプロフィール | 物語R | 00:54 | comments(2) | trackbacks(0) |
物語R
このブログの路線を変更すると書いてから半年たちました。

2009 8 24
http://onomar.jugem.jp/?day=20090824

毎日更新してきた「木霊の宿る町」ですが、永遠に続くわけではありません。

自分の命だって限りがあるのだからもちろん永遠に続くはずはないのですが、そういう話の前にどこか区切りの良いところでやめようと二、三年まえから思っていました。

訪問者が二十万人を超えたらやめようかと考えたこともあるのですが、昨日、二十万を越えてしまいました。

本日をもってやめます。

明日はそう書こうかと思いましたが、それは唐突すぎるだろう、それならそうと十五万人を超えたあたりで予告するのが礼儀だろうと思い直しました。

さてどうするか・・・

路線を変えて書け、「放浪記」のようなものがいいという若い方がいましたが意欲が湧きません。


2009 8 25
http://onomar.jugem.jp/?day=20090825

明日から長編の連載を始めます。



長編話のでだしは頭の中にはっきりあったのですが、書き始めたら二年前に追いかけたアメリカ大統領予備選よりエネルギーが要るだろうというためらいがおきました。「物語R」というタイトルがいまひとつ気に入らなかったこともあります。

でだし用に絵を描いていました。




クリックすれば物語R
クリックしないと物語豚
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| おのまのプロフィール | 物語R | 15:18 | comments(1) | trackbacks(1) |
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